好き違い 【十→カラ】 ページ2
「カラ松兄さんのこと、大好きでっせ」
「ありがとう十四松。俺も大好きだぜ。なんせ、」
その言葉の続きを知っている。
「大事なブラザーだからな!!よし、野球しにいくか、十四松!」
「やったぁ!!」
好きの意味が違う。
きっとずっと伝わらない。
"僕のものになってよ、カラ松兄さん"
そんな欲を隠して、ただただ笑顔を見せるのだ。
伝わらなくてもいい。
一緒にこうして並んで歩いてるだけでも、幸せなのだから。
「やきう!やきう!!」
「十四松、あんまりはしゃいでたら転ぶぞ」
その言葉のとおりに、僕は思い切り前に思い切り転んだ。
「ほら、言わんこっちゃない。...大丈夫か?」
そうしたら、心配そうにかけよってくれる。
「えへへ!やっちゃったー!でも平気!!マッスルマッスルー!!」
豪快に笑う。
痛いけど、それをなんともないかのように、立ち上がる。
「やきう!!!早くしに行こう!!」
せっかく一緒にいられるんだ。
時間は大事にしないといけない。
「お、おう。怪我はもう大丈夫なのか...?」
心配そうにする顔が可愛い。
「大丈夫だよ!」
「そうか」
ほっとしている顔も、
泣いてる顔も、
起こった顔も、
ふんわり笑った顔だって全部。
「大好き」
小さな呟きは、兄さんには届かなかったようで。
僕は兄さんの腕を掴み、かけだした。
「やきう!!」
びっくりした顔で、目をまんまるにして僕を見る
あぁ、その顔も好き。
「まままっ、ちょ、十四松っ!!はや、っうおぁ!!!?」
超ダッシュ、ニコニコ笑って兄さんを引っ張りまわしてやるんだ。
いつか、同じ好きをもらえたらな。
そんなこと願いながら、握った手の力を離さないように、ぎゅっと強くした。
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作者名:わんどーる松 | 作成日時:2017年1月29日 19時