過去と今と未来と (ページ7)

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前触れの無い日常ページ7

始まりは天気のいい日に庭でバーベキューをしていた時だった

宮舘side

バーベキューをしよう
そう当日に決めたのだが皆んなノリノリで、ビニールプールも出してご飯を食べ終えると水鉄砲などで遊んでいた

「ねえ、舘さん...翔太くん調子悪いのかな？」

食べ終えたゴミなどを家の中に運び、余ったものを焼くために暑い中火の前に立っているとラウールが訪ねてきた
皆んなが騒ぐ中少し離れたところでその光景を眺めている翔太
一緒にはしゃいでいてもおかしくはないのだが、皆んなから距離を置いている

「どうだろ、ちょっと聞いてみるね
ありがとねラウール」
「いえいえ、じゃあお願いします」

自分が聞いても翔太は答えないと考えたんだろう
ラウールは心配そうにしつつ皆んなの中へ帰っていった

朝起きてきた時は体調悪そうではなかったんだけどな

「翔太、熱あったり、頭痛い？」
「....ない」
「どこか体調悪いの？」
「いや、ない」

確かにおでこや首元を触れてみても熱くはない
ただ、顔色は悪い

「なんかあった？」
「なんか、おかしいんだよ....火を見てるとなんか、」

翔太はそこまでいうと目を細めて火を見つめた

「うまく言えないんだけど、不安になるっていうか
表現できない何かに襲われるんだよ」

体調悪いんだったら家の中にいたほうがいいんだろうけど違うのか...

「取り敢えず火の方を見ないように
皆んなと遊んできたら？」
「そうするわ、見なけりゃ大丈夫だし」

なんとなく元気のない翔太を心配そうに見送り、再び火の前に立っているとあることを思い出した

「トラウマ、？」

もしかしたら翔太の不安はトラウマかもしれない
そう思って皆んなが遊んでいるプールの方へと身体を向けた
今は鬼ごっこをしていて鬼が水鉄砲を持ち追いかけている姿が見える

翔太は元気そうだ、なら今はいいか、とまた火に向き直り処理をしているが何故かさっきの光景が頭から離れない

鬼ごっこの鬼が水鉄砲を持って追いかける
その光景が何度も頭の中でリピートされている
頭を振っても消えない
その内どんどん頭の映像が変わって

鬼が真っ黒な人間になり、水鉄砲が手に持っていたはずの包丁になった
その刃先が自分の方へと向けられた瞬間、身体に力が入らなくなり座り込んでしまった