過去と今と未来と (ページ40)

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夜に包まれ追われる黒の雪ページ40

何年も前の黒

目黒はよく外で遊んでいた

友人達と一緒にサッカーをしたり鬼ごっこをしたり
活発的な子だった
怖いもの知らずとまではいかないが、それなりに物事に対する恐怖心はなかった

だからこそ、一生消えない恐怖心として目黒の中に残ってしまったと言っても間違いではない

ある日、いつものように友人と遊びに行こうと支度をしていると両親に声をかけられた

「最近この辺に不審者がいるらしいから気をつけてね
もし、何かあったらすぐに大人に助けを求めるのよ」
「はいはい、分かってるって」

目黒がよく遊んでいる所の周辺には頻繁に不審者情報が出回っていた
数日ほどでいつもその情報は無くなっていたし、直接危害を与えてきた事はなかったため、周辺住民も特に気にしてはいなかった

親の話を軽く流して、目黒は遊びに行った
友人達と合流すると、最初の話題は不審者についてだった

「そういや、最近出た不審者ヤバいらしいよ」
「どういうこと？」
「なんか、いつもとは違うらしい、マジで気をつけろって先生言ってた」

目黒はいつもはそんなことを話題にしない友人達が言い始めたのでいつもは流すがしっかりその内容を覚えていた

話が終わりサッカーをし始めると時間が経つのは早く
あっという間に帰る時間になってしまった
友人達の家は目黒の家までの道中にあるため、全員を送り届けると目黒は足早に家に向かっていた

すでに、日が落ち始めて夕暮れ
この時間になると不審者がよく目撃されていた
何故かその情報が目黒の頭に残っていて、最後の角に来る頃には小走りになっていた

目黒が角を曲がると黒い車が一台がようやく通れるくらいの道に止まっていて進めなかった
どうしよう、早く、早く帰らなければ
焦っていた目黒はずっと後ろをつけてきていた人物に気付いていなかった
気づいた時にはもう

首元に冷たい刃物が当てられていた