過去と今と未来と (ページ25)

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舞う翼と溢れる後悔黄の雪ページ25

何年も前の黄

岩本は一番親しい友人と少し遠出をしようと考えていた

どちらからともなく、話の流れで決まった

車や電車はよく使うからせっかくだし飛行機にしようと決め、すぐに行先も決まった
準備期間中から楽しんで当日はゆっくり温泉に入り、とても充実していた

「気持ちいい、やっぱここ来てよかったー」
「それな、疲れが癒される」

他愛もない話をして盛り上がって観光も旅館も楽しんで思い出に、と行く先々で写真を撮り、あとは帰るだけとなった

夕方の便で帰る予定で天気予報では一日中晴れだとされていて天候については２人とも心配はしていなかった
たくさん撮った写真を整理したり、お土産を買ったりとゆったりと空港で過ごし岩本達は搭乗した

「帰っちゃうのか、帰りたくない」
「俺も帰りたくない」
「楽しい時間って、終わらせたくないよな」
「ほんとそれな」

しみじみと今回の旅行が楽しかったと思い返し、離陸するのを待っていた

少し時間が経ち岩本達が乗っている飛行機が離陸した
最初の方は順調に進んでいた

だが残り半分の距離となった時急に天候が悪くなった

本来ならばありえない突然の天候悪化であった
天候悪化だけであればまだ大丈夫であったのだが、飛行機のどこかが損傷してしまったらしい

落ち着いてくださいとアナウンスが入ったが乗客の不安は消えず騒がしくなっていた
岩本達も例外ではなく

「大丈夫、なんだよな、？」
「そう信じるしか、ないだろ」

そう言い合って自分たちの不安を落ち着かせようとしていた
近くの空港に緊急着陸するらしいが乗客の不安は高まっていくばかりで乗務員の声が通らない

何とか落ち着いている岩本達は、不安を消すように旅行の楽しかったことや次はどこに行こうかなど明るい話をして乗り切ろうとしていた

しかし、大きく機体が傾いた
更にパニックになり、気が動転した人の奇声や罵詈雑言、泣き声で機内は騒然としていた