. ページ12
ラウールside
「ラウール、皆んなに何があったか話せる?」
倒れていた皆んなを部屋まで運び終わって外の片付けもそこそこにふっかさんが優しく問いかけてきた
その声にずっと不安だったのが少しだけなくなった
「めめは、暗くなってたのと皆んなが倒れたのが一気に来たからパニックになって、康二くんはめめが意識を飛ばしてパニックになって叫んで、佐久間くんと阿部ちゃんは分からない.......ごめんなさい、」
「謝らなくていいんだよ、教えてくれてありがとう」
ふっかさんは微笑んで頭を撫でてくれてまた安心した時
“全部、ラウールがやったんだよ、全部ラウールのせいでこうなったんだよ”
そんな声が聞こえてきた
でも目の前にいるふっかさんの口は動いていない
“ラウールのせいだ、ラウールのせいで”
そうずっと繰り返して言われる
「俺、何もしてない!.......俺のせいじゃない!!」
「ラウール、?」
何処からからか聞こえてくる声とふっかさんが呼んだ名前が重なって頭の中に思い出したくない事がフラッシュバックする
「俺じゃない、俺はやってない!俺じゃない!!」
落ち着かせようとしてくれているのは分かるけど身体はあの時のあの人にふっかさんを重ねていて身体が強張る
「俺じゃない、俺じゃない、俺のせいじゃない」
ふっかさんを困らせたくなくて自分で落ち着かせようとするけど無意味で段々苦しくなってきた
「らう、大丈夫だよ、誰もらうのこと責めてない」
気づいたのか呼び方を変えてくれてふっかさんの重なりがなくなった
また優しく頭を撫でて、今度は抱きしめてもくれてあんなに強張っていた身体が嘘のように落ち着いて
心から安心して意識が遠のいた
320人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:coolk | 作成日時:2020年3月13日 19時