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次に向けられた刃先は自分であると分かった時、無意識に足がプールへと向かっていた

男は宮舘のことしか見えていないようで宮舘がプールに向かっていることに気づいていない

そのまま宮舘はプールに飛び込んだ

ああ、冷たい
流石にこの季節の水は体温を奪われてしまう

寒さからかやけに冷静になった宮舘はとある事を思いついた
体温が奪われて行くのを感じながらプールの中央へと足を進める

子供であることと普段着のままプールに浸かっているため動き辛く、男に追い付かれてもおかしくはない

早くしなければ、これが失敗したら自分の命はない

男は目の前の子供を殺めることしか頭にないらしくプールに入った
水の抵抗によりゆっくりとではあるが確実に近づいている
男の目は宮舘を捉えたまま、他には何も映していない


中央に辿り着いた宮舘は男の方へ向き男が近づいてくるのを待った

あと数歩進めば刺される、そんな距離に犯人が来た時宮舘は潜った
男も宮舘と同じように潜る
少し汚れているプールの中で目を開けることができず、男は水上に顔を出した、しかし、宮舘の姿はなく焦った男は何度も潜って上がってを繰り返す

宮舘は潜ったまま男の後ろにまわっていた
男の場所を何度も確認し、時を見計らい一気に近づいて混乱している男が顔を上げたのと同時に頭を掴んで水に沈めた

少しでも気を緩めれば殺されてしまう、という考えが宮舘の頭を支配して男が完全の動けなくなるまでずっと沈め続けた

動かなくなった男に気づいた宮舘は掴んでいた頭を離し何事もなかったようにプールを上がった


そこでふと我に返った宮舘は自分が何をしていたのかを思い出し、血の気が引いた

プールの中央に視線を向ければ男と思わしき黒いものが浮いている

自分が、あの人を、?
まさか、そんなことあるわけない、大量に人を殺めた男を自分が、?...そんなことできるわけない


駆けつけた警察官が
「この男の子生きているぞ!救急車!!」

そう叫んだのを最後に宮舘の意識はなくなった

.→←人影は波に飲まれた赤の雪



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作者名:coolk | 作成日時:2020年3月13日 19時

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