34. 彼の部屋 ページ34
「どうぞ」
「.....おじゃまします」
コンビニからわずか５分で着いた
彼のマンション。
最上階の。一番奥の部屋。
あまりの立派さに。
エントランスに足を
踏み入れた時から続いている緊張。
......ううん。きっとこの緊張は。
そこからじゃない。
そんなの。自分でも
痛いくらいわかってる。
ずっとつないでた彼の手を離して。
しゃがんで脱いだ靴を揃えて
立ちあがったら。
またすっと手を取られた。
そうすることが。
しごく当たり前のように。
すごく自然な流れだったから。
少し驚いて。
でもそれに答えるように。
キュッと力を込めてみた。
その瞬間。彼の頬が。
ふっと緩んだように見えた。
リビングへ続く長い廊下。
見なくっても。中の部屋の広さが
思い浮かんでしまうくらい。
リビングへ足を踏み入れると。
そこは意外にも雑然とした雰囲気だった。
適度にちらかってるというか。
割と物も多くて。
ソファにも。シャツや上着が
無造作にかけられていて。
テレビの前にはやりかけのwiiが
出しっぱなしになっていた。
なんだろう。「男の人」じゃなくて。
「男の子の部屋」って感じ(笑)。
「ヤベッ★まんまで京都行ってたっ」
その光景を目の当たりしして。
一瞬あわてかけたけど。
特段片付けに動こうとはしない彼。
なんだかいつもの彼のイメージとか。
自分の抱いていた固定観念とかが。
いい意味で崩れて。
意外な一面を知れた気がして。
思わず嬉しくなってしまった。
「今日。帰ってきたばかりだったの....？」
「ん。...会いたくて本屋に直帰。です」
......”誰に”....？
肝心な一語が抜けているけど。
.....”私に”だって思っていいの...？
でもあまのじゃくな彼のことだから。
もしかしたら。今のセリフの後に。
”本屋のおじいさんに”なんて
どんでん返しが続きそうで(苦笑)。
なんて想像したら。
ちょっぴり張り詰めていた糸が
ゆるんだ気がした。
そのほんの一瞬を。
見逃さないで。気がついて。
私の目を見てふっと彼が笑った。
「適当に座ってて。
冷たいものでいい？」
「あ.....はい....うん。」
つないだままの手。離したくなくて。
うん、って言いつつも。
思わずギュッと力入れてしまったら。
やっぱり彼はそれに気づいたみたいで。
とたん恥ずかしくなって
うつむいてしまった私。
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かこ(プロフ) - かな。さん» あけましておめでとうございます♪お返事遅くなりごめんなさい★こちらこそ見つけていただけて感激です。これからもよろしくお願いします。 (2014年1月1日 7時) (
レス) id: a19ae85936 (このIDを非表示/違反報告)
かな。(プロフ) - ☆かこｻﾏ☆おはよございます 初めまして♪ 今朝見つけて今｢ｺﾝﾋﾞﾆ傘返したとこ｣読みました(ToT)もぉ超絶胸震えて涙じんわぁ〜ですっ(ToT) はぅ〜(ToT) 見つけてよかったぁーっ!!心暖まるお話ありがとうございます!! (2013年12月20日 8時) (携帯から) (レス) id: 93992e831f (このIDを非表示/違反報告)
かこ(プロフ) - **shachi**さん» 続き。こちらこそ、見つけていただけたこと、そして私がきっかけ、だなんて言ってもらえたことに感謝感激です(*^^*)これからもよろしくお願いします♪ (2013年12月15日 10時) (レス) id: b9db3344e7 (このIDを非表示/違反報告)
かこ(プロフ) - **shachi**さん» お久しぶりです♪わー、この偶然の再会に感謝ですっ（＞＜）相変わらずミクシイで細々と書いていますが。お名前変換機能がどうしても使ってみたくて今回ツクールにきてみました。shachiさんも書いてらっしゃるんですね♪今度遊びにいきますねー♪ (2013年12月15日 10時) (レス) id: b9db3344e7 (このIDを非表示/違反報告)
**shachi**(プロフ) - 続き。こうやってまたかこさんの作品に出逢う事が出来て嬉しいです♪かこさんの書くお話の世界が素敵で。今はこちらのサイトで書き手でもあり読み手でもある私ですが、かこさんの作品楽しませて頂きますね♪今日見つけた私を褒めてあげたいっ！←（笑） (2013年12月14日 20時) (レス) id: 5f04041d5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かこ
| 作成日時：2013年12月13日 14時
