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隣で眠っていた智が身じろぎして俺を呼ぶ。
「じゅん…」
「どした？痛むの？」
退院はしたけど、ケガをした左肩が痛むんだろう、智の眠りは浅かった。
「ううん、違う」
柔らかな前髪をすき上げて額に手を当てると、智が小さく笑った。
「だいじょうぶ、熱はないって」
そっと抱き寄せると素直にその身体を寄せて、すっぽりと腕の中に収まった智の吐息が胸元にかかる。
なんか言いたいことがあるのに口に出せないって感じだな。
そういえば、今日は帰ってきてからずっとそんな感じだったかも…
「じゃあ…どうした？」
智の微かな躊躇いが直に伝わってくる。
「あのさ…」
どう言えばいいか迷ってるのか…
それとも…
「おいら、お前のことだけ忘れてたんだってな…今日、藤木先生にきいた」
「…」
「ごめんな」
少し震える小さな声。
智の手が俺の背中にぎゅうっとしがみつく。
「そんで…あの…ありがとな。そんな薄情なおいらなのに、迎えに来てくれて…ホントにありがと」
少し身体を離して俺を見つめる智の瞳がゆらりと揺れる。
「ばかだな、そんなこと気にしてんの？」
「だって…ひどくない？お前のことだけって…」
「そうだなぁ、確かにひでぇって思ったな」
「…」
「だけどさ、藤木先生が教えてくれたんだ。
特別強い思いがあったからこそ、俺のことだけきれいに消してしまったんだろうって」
「強い思い…？」
「そう。それだけあんたが俺のこと好きだってことだろ？光栄だよ」
「…っっ」
俺の胸元に額を押しつけて黙った智。
でも耳が真っ赤だ。
どんな顔してるか見てやろうとしたら、すごい力で抵抗された。
「もー、ヤダ。お前、ハズくない？」
「何が」
「うぅ…もういいっ」
あぁ〜あ、へそ曲げちゃったか。
くそーかわいいなぁ。
プリプリ怒ってるくせに、それでも腕は巻き付いたまま俺から離れない智に顔が緩む。
まったく…なんて愛らしい人だろう。
あんたが俺を記憶から消した理由がホントは何だったかなんて、藤木先生だって知らないはず。
だけど、俺は先生の言葉を信じることにしたんだ。
だって、そもそも俺が原因だろ？
謝るのは俺の方だ。
だけど、そういうことじゃない…
俺たちに必要なのは謝罪の言葉なんかじゃない。
耳を赤くしたまま、頑なにこっちを見ない智が愛しくてたまらない。
この気持ちに素直になればいい。
そうだよね？
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ＡＫＩＲＡ(プロフ) - あんずさん» あんずさんそう言ってもらえて嬉しいです。うちの長男が可愛いのはきっと甘々な五男のせい。どんなに恥ずかしがってもお構いなしの彼がそんな長男を作ってます（笑）他のメンバーだとそれぞれに少しずつ違う反応になると思うので（笑）次は天然コンビです。お楽しみに！ (2019年4月30日 10時) (
レス) id: 4512a7e1db (このIDを非表示/違反報告)
ＡＫＩＲＡ(プロフ) - bunkichiさん» わーい！伝わってよかったぁ〜！いろいろあって苦しかったり辛かったりしても、最後は五人で笑ってる。そんな彼らが大好き。buｎkichiさんはいわゆるカレンダーどおりに仕事なのかぁ…頑張って〜その間にまたほのぼのしてもらえるように次のお話準備しておきます（笑） (2019年4月30日 10時) (レス) id: 4512a7e1db (このIDを非表示/違反報告)
bunkichi(プロフ) - AKIRAさん、めちゃくちゃほのぼのできました〜。次は天然か〜。楽しみ！今日から3日間仕事です。頑張ってくるね〜。 (2019年4月30日 5時) (レス) id: 79f31dd43f (このIDを非表示/違反報告)
あんず(プロフ) - AKIRAさん、完結ありがとうございました。2人の気持ちが穏やかに落ち着いて本当に良かったです、智くんが可愛すぎて。AKIRAさんのお話大好きです。 (2019年4月29日 16時) (レス) id: 7778cfafdc (このIDを非表示/違反報告)
bunkichi(プロフ) - 大切なこと、書き忘れてました。今回もと〜ってもステキなお話でした。やっぱりAKIRAさんのお話大好きです。 (2019年4月29日 11時) (レス) id: 79f31dd43f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ＡＫＩＲＡ
| 作成日時：2019年4月1日 0時
