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サトシの報告を受けた白虎騎士団の団長ロイドは、親衛隊から選ぶか、せめて十分な経験を積んだ騎士にしてはどうかと侍従長に具申しに行ったのだが、タキ王の意志は固いと苦々しげに告げられただけだった。
しかし侍従長の態度が、すでにタキ王に訴えていたであろうことを物語っており、ロイドはあっさり引き下がったのだった。
それからしばらくしてタキ王から正式な命令が下り、サトシは王女付きの騎士になった。
白虎騎士団の騎士であることに変わりはないが、これからは王女の護衛が最優先されることになる。
「サトシ、お前に陛下から正式な命令が下ったぞ。
今日からお前はシエラ王女殿下の専属騎士だ。」
「うん。」
普段と変わらないサトシの様子にロイドは不安を隠せない。
「サトシ、お前はどれだけ重大な任務を命ぜられたのか分かっているか。」
ロイドは難しい顔で目の前に立つサトシを見据える。
その眼を受け止めてサトシは頷いた。
「わかってる。
人の命を守るってすごく大変な事だって、すごく難しいことだって知ってる。」
「その通りだ。わしから見ればお前はまだまだ未熟者だ。
そんなお前が王女殿下の護衛を務められるとは思えん。」
「でも、王様の命令なんでしょ？
それが俺の役目なら、ちゃんとやる。
それに…王様が言ったんだ、姫様は俺の『守るべき者』だって。」
真っ直ぐにロイドを見つめる瞳は真剣そのもので、固い決意が感じられる。
それを見て表情を和らげたロイドは頷いた。
「そうか。陛下はお前の守るべき者とお仰せであったか。
それならこのわしが何も言うことはない。全力で王女殿下をお守りせい。」
「うん。」
サトシは少しの迷いも気負いもなくにこりと笑った。
ロイドにはその笑顔は無邪気とも取れるような幼いものに感じられ、じわりと滲む懸念を拭うことができない。
自分以外の命に責を負うなど、サトシにはまだ早過ぎるとロイドは思う。
弱冠十五歳の少年にどれほどのことができるというのか。
タキ王が何を思い、その任に当たらせたのかはロイドには想像も出来ないが、この国の平和が末永く続き、何事も起こらないことを心から祈った。
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ＡＫＩＲＡ(プロフ) - ラヴリィさん» ラヴリィさん、コメントありがとうこざいます。このソラリスの物語は設定を作り込んでいるので世界観をわかってもらえてすごく嬉しいです。本編は長い物語ですが、アップできたらいいなと思って手直し中です。アップ出来たらその時はまた読んでくださいね。 (2018年12月20日 0時) (
レス) id: 4512a7e1db (このIDを非表示/違反報告)
ラヴリィ(プロフ) - 他の作品を読ませて頂いてますがいつも読み逃げですみません。はじめて投稿させて頂きます。世界観が出来上がってる作品なんですね。それが読み手にワクワク感をもたらしていて、続きを知りたい。その先に何が？と思ってしまいます。術中にハマったのでしょうか（笑）。 (2018年12月19日 23時) (レス) id: fe9e090000 (このIDを非表示/違反報告)
ＡＫＩＲＡ(プロフ) - bunkichiさん» buikichiさん、次はいちごにしましょうか（笑）色恋沙汰はぜひ「いちご」で！！花冠の騎士は本編の補足というか、始まりのお話だったので、物足りなさがあるかもしれないです。外伝２はもう少しいろいろあります、長男が（笑）こちらは来年アップできればと思ってます。 (2018年11月27日 23時) (レス) id: 4512a7e1db (このIDを非表示/違反報告)
ＡＫＩＲＡ(プロフ) - 真智さん» 真智さん、初めまして。コメントありがとうございます。本編に興味を持ってもらえて嬉しいです〜本編はたくさん手直しするので、ゆっくりやっていこうと思っています。アップするかどうかは出来映え次第ですが（汗）次のお話は「いちご」かなぁ〜って思ってます（笑） (2018年11月27日 22時) (レス) id: 4512a7e1db (このIDを非表示/違反報告)
bunkichi(プロフ) - AKIRAさん、完結お疲れ様です。正直言うと、え？もう完結？って気分。とてもステキなお話だったので、物足りないくらいです。ついつい、色恋沙汰に発展することばかり期待してしまって、情けなくなります、自分が。外伝2も楽しみにしてます。 (2018年11月27日 20時) (レス) id: 79f31dd43f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ＡＫＩＲＡ
| 作成日時：2018年11月5日 9時
