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「シエラ様は…確か三歳ぐらいじゃないかな。
俺がサトシの家に行ったのが五歳だから、その頃のマサキと同じ歳って言ったらわかる？
赤ちゃんじゃないけど一人じゃ何もできないくらいには小さい子だよね。」
「ふ〜ん、そうなんだ。でも、それよりもっと小さく感じたよ。」
「そりゃあ、今のサトシと比べたら三歳は小さいよ。
あのころは俺たちだって小さい子どもだったし。」
クスクス笑いながら、カズは指摘する。
「そっか、そうだよね。」
サトシも笑う。
「でね、王様に『あれがそなたの守るべき者だ。』って言われたんだ。」
「…それで、どう思ったの？」
カズは真剣な顔になる。
サトシは月を見つめながら言葉を選んでいるようだった。
「なんか、ここにすとんってその言葉が落ちた感じ。」
そう言って胸に手を当てる。
「泣いてる姫様にね、ほら、昔よく母さんにあげた花飾りをね、作ってあげたんだ。」
二人は子どもの頃、よく森に遊びに行っては帰りに花を摘んで帰ったのだった。
夕食を用意して待っているサトシの母親の喜ぶ顔が見たくて、二人で作ったのだ。
近所のお姉さんに作り方を教わって、器用なサトシはすぐに作れるようになったが、カズはなかなか上手くできなかった。
それでも、触り過ぎて萎れてしまった花飾りを嬉しそうに受け取り、その黒髪に差してくれたものだった。
「花飾りか…懐かしいね。」
「うん。綺麗な花がいっぱい咲いてたから、思い出したんだ。
それをあげたら姫様ね、笑ってくれた。」
サトシは瞼を閉じて、その場面を思い返しながらゆっくり話す。
「王様とは違う柔らかい白銀の髪が光ってて、瞳の色がね、朝焼けみたいに綺麗な菫色で…
カズも見たことあるよね、礼拝堂の天井に描いてある天使の絵。」
普段より饒舌なサトシを少し驚いたように見つめるカズ。
サトシはそんなカズに優しげな眼差しを向けた。
「あの天使みたいだった。
俺ね、姫様にはずっとそうやって笑っててほしいなって思ったんだ。」
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ＡＫＩＲＡ(プロフ) - ラヴリィさん» ラヴリィさん、コメントありがとうこざいます。このソラリスの物語は設定を作り込んでいるので世界観をわかってもらえてすごく嬉しいです。本編は長い物語ですが、アップできたらいいなと思って手直し中です。アップ出来たらその時はまた読んでくださいね。 (2018年12月20日 0時) (
レス) id: 4512a7e1db (このIDを非表示/違反報告)
ラヴリィ(プロフ) - 他の作品を読ませて頂いてますがいつも読み逃げですみません。はじめて投稿させて頂きます。世界観が出来上がってる作品なんですね。それが読み手にワクワク感をもたらしていて、続きを知りたい。その先に何が？と思ってしまいます。術中にハマったのでしょうか（笑）。 (2018年12月19日 23時) (レス) id: fe9e090000 (このIDを非表示/違反報告)
ＡＫＩＲＡ(プロフ) - bunkichiさん» buikichiさん、次はいちごにしましょうか（笑）色恋沙汰はぜひ「いちご」で！！花冠の騎士は本編の補足というか、始まりのお話だったので、物足りなさがあるかもしれないです。外伝２はもう少しいろいろあります、長男が（笑）こちらは来年アップできればと思ってます。 (2018年11月27日 23時) (レス) id: 4512a7e1db (このIDを非表示/違反報告)
ＡＫＩＲＡ(プロフ) - 真智さん» 真智さん、初めまして。コメントありがとうございます。本編に興味を持ってもらえて嬉しいです〜本編はたくさん手直しするので、ゆっくりやっていこうと思っています。アップするかどうかは出来映え次第ですが（汗）次のお話は「いちご」かなぁ〜って思ってます（笑） (2018年11月27日 22時) (レス) id: 4512a7e1db (このIDを非表示/違反報告)
bunkichi(プロフ) - AKIRAさん、完結お疲れ様です。正直言うと、え？もう完結？って気分。とてもステキなお話だったので、物足りないくらいです。ついつい、色恋沙汰に発展することばかり期待してしまって、情けなくなります、自分が。外伝2も楽しみにしてます。 (2018年11月27日 20時) (レス) id: 79f31dd43f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ＡＫＩＲＡ
| 作成日時：2018年11月5日 9時
