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「おい、サトシ」
「んーもう食べらんない」
サトシの背中を見送り、ため息をつくとカズがくすっと笑った。
「ジュンくん変わったね」
「何が」
「そんなに世話焼きだったなんて知らなかったよ。
いちいちうるさい奴だとは思ってたけどさ」
「そんなこと言うお前の方が変わったんじゃねえの？
他人に全く興味なかったくせに、その変わりようったらないぜ。
そんなに自分から積極的に他人と関わりとも持つことなんてなかっただろ」
「別にそれは変わってないよ。俺が興味持ってるのはあの人だけだから」
「ふうん。マサキにも興味もってるんじゃないの」
「ああ、マサキね。面白いよね。やることがいちいち予想外でさ…ていうか、あの人にしてもマサキにしても、俺たちが知ってる奴らとはたいぶ違ってるじゃん」
「あの二人は特別なんだろうな。
マサキが物凄くいい奴なのは知り合ってすぐにわかったけど、あの村でサトシに会って、
友情なんて言葉じゃ足りない二人の絆の深さに驚いた」
あの村での二人の様子を思い出す。
「親子でも恋人でもない相手とこんなに想い合えるなんて、マサキがいい奴だからってだけじゃ成り立たない。サトシっていう存在がそうさせるんだって思ったんだ。
だからきっと俺もお前もサトシと関わることで変わったんだろうな」
カズは俺の言葉を肯定する代わりに肩をすくめた。
「まあ、稀有な人ではあるよね。普通じゃあり得ない状態でいろいろキツイ目に合ってきて、
それであの性格保つって相当…鈍感なのかな」
「おい」
「ふ、冗談だって。そんなに睨むなよ」
サトシがどれだけ苦しんできたか分からない訳じゃないだろう。なのにそんな事を言い出すカズの意図が分からなくてつい強い視線を向けてしまった。
「だってさ、あの人がそういうことを感じさせないんだから、俺たちが気にするのは不自然だろ。辛くなかったはずはないし、平気でいられたはずもない。
そういうのを乗り越えて、あんなふうに笑ってるんだ。
俺たちはそんなあの人をそのまま受け入れればいいんじゃないの」
カズが言いたいことは分かる。でも本当にそうだろうか…？
「ジュンくんの悪い癖だね、そんな怖い顔して考え込んでるのをあの人が見たらどう思うかな。自分のことで思い悩んでるなんて知ったら、きっと悲しむだろうな」
大きなため息をついて、さも気遣わしげな視線をサトシの部屋の方へ向ける。
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dango3104(プロフ) - お返事ありがとうございます(〃ω〃)休止中の心の隙間を素敵なお話を一気読みする事で何とか日々を乗りきっておりますm(_ _)m時にニヨニヨし、時に涙し、家族に不審がられようとも気にせず(￣∀￣)何とか智さん不足を補いつつ生きとります(ノ_＜)新作、楽しみにしてます (2022年4月6日 17時) (
レス) id: 51c921a09e (このIDを非表示/違反報告)
ＡＫＩＲＡ(プロフ) - dango3104さん» dango3104さん、コメントありがとうございます！最近は全然UPできていないのですが、何年も前のお話に新しいコメントを頂けるなんて感無量です！また書き始めているので新作ＵＰできたらぜひ読んでくださいね。 (2022年4月5日 23時) (レス) id: 30a2c7b7ee (このIDを非表示/違反報告)
dango3104(プロフ) - 最愛同様に深い愛ですね・・・涙が止まらないです (2022年3月28日 17時) (レス) @page29 id: 51c921a09e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ＡＫＩＲＡ
| 作成日時：2017年6月10日 12時
