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「今年はもう夜に外出できないよね」
残念そうに夜空を見上げてため息をつくサトシ。
「ああ、これから寒くなるからな」
「ふふ、雪がふったら来年の春までまた冬籠りかぁ」
短い夏が終われば気温が急激に下がるここアルプスでは、サトシの体調を考えて毎年この時期から夜間の外出は厳禁にしてる。
その後、晩秋までに本格的な冬籠りの支度をして真冬はみんなで冬籠りになるんだけど、今年はマイさんの出産があるからマサキ一家は大きな町でこの冬を越すことになる。
俺と二人で過ごす今年の冬はきっと淋しく感じるだろう。サトシのためにも助っ人を用意しておいてやらなきゃな。
「今年の冬はカズをここに招待しようか」
「え、カズを？」
「そう。あいつ、今年こそクリスマス休暇とるって息巻いてたからな。
アメリカじゃクリスマス休暇って言えば結構長い休みだから、全部休めなくても何日かは頑張って取ってもらおう」
「いつも忙しそうだもんね。来てくれたと思ったらすぐに帰ってっちゃう」
「まあ、あいつの立場じゃそれもしょうがないだろう。グループ傘下の十数万人っていう社員を養ってるんだ」
「十数万って…想像できない…」
「そうだなぁ、今見てる星ぐらいかなあ」
「ええ、そんなに？」
「ははは、それはちょっと言い過ぎだけどさ、社員の家族も含めたら相当な人数だろ。
あいつはほんとにすごい奴なんだ」
「ジュンも負けてないよ」
「嬉しいこと言ってくれるじゃん」
「ふふ」
満天の星空を見上げて笑うサトシの横顔は、あの村で初めて会った時と同じくらい切なくて、あの時よりもずっと綺麗だった。
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dango3104(プロフ) - お返事ありがとうございます(〃ω〃)休止中の心の隙間を素敵なお話を一気読みする事で何とか日々を乗りきっておりますm(_ _)m時にニヨニヨし、時に涙し、家族に不審がられようとも気にせず(￣∀￣)何とか智さん不足を補いつつ生きとります(ノ_＜)新作、楽しみにしてます (2022年4月6日 17時) (
レス) id: 51c921a09e (このIDを非表示/違反報告)
ＡＫＩＲＡ(プロフ) - dango3104さん» dango3104さん、コメントありがとうございます！最近は全然UPできていないのですが、何年も前のお話に新しいコメントを頂けるなんて感無量です！また書き始めているので新作ＵＰできたらぜひ読んでくださいね。 (2022年4月5日 23時) (レス) id: 30a2c7b7ee (このIDを非表示/違反報告)
dango3104(プロフ) - 最愛同様に深い愛ですね・・・涙が止まらないです (2022年3月28日 17時) (レス) @page29 id: 51c921a09e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ＡＫＩＲＡ
| 作成日時：2017年6月10日 12時
