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小さくノックして入るのはサトシの部屋。
返事を待たずにドアを開け、部屋の奥にあるベッドに近づくと、静かな呼吸音が聞こえてくる。その規則正しい呼吸音にほっとする。
最近は夜中に呼吸が不安定になることがあって、サトシには簡単な呼吸心拍監視装置をつけて、俺とカズが交代で夜通し付き添っている。
「今夜は俺の番な」
眠っているサトシにそっと声を掛けると睫毛が震えてゆっくりと瞼が開いた。
「起きてたのか。具合はどう？」
「…だいじょうぶ」
口元に微かな笑みを浮かべて瞬きしたサトシはそれだけ言うとまた瞼を閉じてしまった。
「咽喉は乾いてない？」
持って来た水差しをサイドテーブルに置いて、ベッドの傍の椅子に座ってサトシの様子をみる。ここ数日、体調は安定していてベッドから起き上がることも出来ていたのに、今日は一日うつらうつらして過ごしていた。
「点滴してるから水分は足りてるだろうけど口が渇くだろ」
「うん…」
身じろぎしたサトシの身体を支えてそっと起こし、乾いた唇に水差しの吸い口を当ててやる。二口飲んでほっと溜息をついたサトシは「ありがとう」と笑った。
「このまま起きてたい」
そう言うサトシの背中にクッションをあてがい楽な姿勢にしてやる。
「どう、苦しくない？」
「うん、ありがと。いま何時？」
「八時半。さっきカズと夕食をすませたところだ」
「そっか…今日はなんだかずっと眠たくて…」
「みたいだな。カズが昼間サトシと一緒になって寝たから、今夜は眠れないかもって言ってたよ」
「あはは、そうなんだ。おいら、いくらでも寝てられるから」
声を立てて笑うサトシなんて何日ぶりだろう。痩せた肩にカーディガンを羽織らせてその顔を覗きこむと、サトシは明るい表情でふわりと笑った。
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dango3104(プロフ) - お返事ありがとうございます(〃ω〃)休止中の心の隙間を素敵なお話を一気読みする事で何とか日々を乗りきっておりますm(_ _)m時にニヨニヨし、時に涙し、家族に不審がられようとも気にせず(￣∀￣)何とか智さん不足を補いつつ生きとります(ノ_＜)新作、楽しみにしてます (2022年4月6日 17時) (
レス) id: 51c921a09e (このIDを非表示/違反報告)
ＡＫＩＲＡ(プロフ) - dango3104さん» dango3104さん、コメントありがとうございます！最近は全然UPできていないのですが、何年も前のお話に新しいコメントを頂けるなんて感無量です！また書き始めているので新作ＵＰできたらぜひ読んでくださいね。 (2022年4月5日 23時) (レス) id: 30a2c7b7ee (このIDを非表示/違反報告)
dango3104(プロフ) - 最愛同様に深い愛ですね・・・涙が止まらないです (2022年3月28日 17時) (レス) @page29 id: 51c921a09e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ＡＫＩＲＡ
| 作成日時：2017年6月10日 12時
