第八波 ページ8
「ねね！有加ちゃん今日は手作りお弁当？」
「うん。今日は私の手作りだよ〜」
「え、マジで！食べたーい！」
「…そこに入ってる何かくれるなら」
んー、どうしようかな？と言っている浦正が可愛い。
…お母さんは家にいる。
でも、お弁当は私が作る。
2人の中のしこりは消えなくて、お母さんの作るものを食べる事に罪悪感を感じ、いつの間にか自分のものは自分で作る。そんな生活を送るようになっていた。
ふと前を見るとこの学校の制服としては比較的まともに着こなした髪の毛の明るい少年が歩いていた。
前からゆっくり話してみたかったその人は、無防備に歩き、財布を取られないか心配だった。
「あ、虎次郎君！今日のお昼、一緒に食べるからね！」
え、という顔をして振り向かれたが知るものか。
私は2人を置いて玄関まで走った。
・・・・・・
「赤園って言ったっけ？」
「ああ…」
「ふーん、…お前モデルかなんか？」
「…は？」
なんで急にモデルとかになるんだこいつ。
いや、俺がかっこいいのは知ってるけど！モデルがこんなところにいたら色々問題だろ！
「違うのか？」
「…俺なんかがモデルになれるわけないだろ」
見た目じゃない。過去の経歴的に俺はそんな、表に立てる人間じゃない。
それを言ったら、この目の前にいる美青年だって同じ事だろう。
「ふーん…お前、有加ちゃんに似てる洗練されたオシャレな雰囲気してたからそうかな？って思ったんだけど。ふーん、違うのか」
そっか…こいつは流石に俺の事知らないよな。
俺がこいつの事を知らなかったように、北海道の事までは知らないよな…
「ま、今日の昼は3人で食うみたいだし。宜しくな！」
…は？3人で？
俺と、青明寺と…有加ちゃんで？
「何驚いた顔してんだよ。いつも俺と有加ちゃん一緒だし、なんか知んないけど、お前と食いたいみたいだし！ま、俺がいる限り変な真似はさせないけどな！」
そう言って青明寺は笑った。
笑うと案外可愛い感じでこいつは笑うんだな。
そんなことを思いながら笑い返した。
ふと青明寺が顔を近づけてきた。
…目がデカイ！怖い！まて！
「お前、もう一回笑ってみて」
はあ？というと、笑って、と繰り返す。
なんなんだ…と思いながら笑顔を貼り付けてみる。
「…サンキュ。あ、あと、俺の事、青明寺って呼ぶな！」
そう言い残すと持っていた鞄を肩に掛け直し、玄関の方へ走って行った。
俺はしょうがないな、と頭をかいた。
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杜若蒼(プロフ) - まおさん» コメントありがとうございます♪待っててくれるんですか！ありがとうございます！本当に遅くなるかもしれませんが頑張って書きますね♪ (2014年10月5日 21時) (
レス) id: 55b24aa62f (このIDを非表示/違反報告)
まお(プロフ) - すみません、始めましてじゃなくて初めまして？でした… (2014年10月5日 21時) (レス) id: 3cad231990 (このIDを非表示/違反報告)
まお(プロフ) - 始めまして！とっても面白いです！そして温かいお話ですね…。ちなみに私は浦正くん推しです。更新いくら遅くとも待ちます！それくらいこのお話が好きです。応援してます。頑張ってください！ (2014年10月5日 21時) (レス) id: 3cad231990 (このIDを非表示/違反報告)
杜若蒼(プロフ) - TAMIKOさん» 了解でーす♪書き上げ次第更新しますね♪コメントありがとうございます♪ (2014年5月24日 4時) (レス) id: 064ab8f00f (このIDを非表示/違反報告)
TAMIKO(プロフ) - 早くー！続きー！待ってます！ (2014年5月24日 0時) (レス) id: 73739dc8a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：杜若蒼 | 作成日時：2014年3月24日 14時
