第四十波 ページ40
学校終わったから家に一回帰って…
そう思いながら歩くと目の前が真っ暗になった。
クラクラっと倒れてしまう。
コンクリートが冷たい。まともに立つことも出来ない…
「帰らなきゃ…」
帰らなきゃならないよね。汚れた制服から一回着替えなきゃ…
そう思いながら家に帰る。
ドアを開けるといつもと玄関が違った。
母さんのおしゃれな靴が一個も無い。
リビング行くと父さん…が酒をこんな時間なのに飲んでいた。
「ふーん。お前は出てか無かったんだ」
「な、なんの話？」
「あの女について行ったと思ってたんだがな」
あの女について行ったと…？
どういうこと…？
「気に食わねーじゃねーか。あの女とそっくりな顔しくさって。胸糞悪い」
そう言って父さんは俺の胸ぐらを掴む。
そのまま俺の体はドアに投げつけられた。
取っ手が俺の背中に当たって地味に痛い。
立ち上がろうとすると頭痛でくらっとし、膝から崩れ落ちた。
「ほら、立ちやがれ」
無理矢理腕を引かれ、立たされる。
俺の顔に拳が飛ぶ。当然だけど避けられない。
…でも、浦正君は一対一じゃ無かった。確か35対一だった…逃げる事なんて出来なかったんだ…
強くなりたい。
こんな男、ぶっ倒せるくらい強くなりたい。
辛い。殴られるのなんて辛くて辛くて死ぬんじゃ無いかと思う位辛くて…
「てめえ、気に食わねー。」
そう言われ、背中を殴られる。
苦しくて、息だってしにくい。
俺の手は自然にドアの取っ手に伸びた。
俺の体は閉められたリビングから飛び出し、玄関を裸足で飛び出し、街に飛び出した。
痛い、苦しい、怖い…
俺の体はいうことを聞かず、倒れてしまう。息苦しくて、身体中が熱くて…
「お前、大丈夫？」
聞いたことの無い声が降りかかる。
うっすらと目を開けると青い制服…中野風男子学園の制服が見えた。
「茶髪…？虎次郎君…？」
自然に口から出たその言葉。目の前の青い制服ははあ？という声を出した。
「俺は愛刃健水やけど…ってお前、凄い熱やないか！ていうか靴どうしたん！制服もめっちゃ汚れとるし…ほら、家送ってあげるさかい、どこなん？」
家に…送る？
帰らなきゃダメなん？やや。帰りとうない…
「帰り…たくない…」
「…家出？」
「お父さんが…殴って…俺の事殴って…逃げてきて…」
息苦しくて言葉が続かない。
背中を殴られたからか吐き気までする。
なんで…こんな…
苦しくて…辛いのだろう…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 23人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
杜若蒼(プロフ) - まおさん» コメントありがとうございます♪待っててくれるんですか！ありがとうございます！本当に遅くなるかもしれませんが頑張って書きますね♪ (2014年10月5日 21時) (
レス) id: 55b24aa62f (このIDを非表示/違反報告)
まお(プロフ) - すみません、始めましてじゃなくて初めまして？でした… (2014年10月5日 21時) (レス) id: 3cad231990 (このIDを非表示/違反報告)
まお(プロフ) - 始めまして！とっても面白いです！そして温かいお話ですね…。ちなみに私は浦正くん推しです。更新いくら遅くとも待ちます！それくらいこのお話が好きです。応援してます。頑張ってください！ (2014年10月5日 21時) (レス) id: 3cad231990 (このIDを非表示/違反報告)
杜若蒼(プロフ) - TAMIKOさん» 了解でーす♪書き上げ次第更新しますね♪コメントありがとうございます♪ (2014年5月24日 4時) (レス) id: 064ab8f00f (このIDを非表示/違反報告)
TAMIKO(プロフ) - 早くー！続きー！待ってます！ (2014年5月24日 0時) (レス) id: 73739dc8a9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：杜若蒼 | 作成日時：2014年3月24日 14時
