第三十九波 ページ39
「今日は雪村をどう処刑する？」
「こういうのはどうだ？」
僕の横の処刑計画。
受刑者は僕の「元」親友。
昨日早退したけど今日は彼は来るだろうか。
少しだけ不安を覚えた。
「来たぞ」
窓から彼の姿が見える。
ドアが開いた途端、教室は静かになった。
机の上にはからのお菓子の袋やらゴミやら。処刑という名のいじめは着々と彼の目を虚ろにさせていた。
「援助交際は順調？」
1人の女の子の声でクラスが一気に騒がしくなる。
中野風男子学園なんだからね。それくらい言われて当然だよ。
すると彼は振り向く。
にこりと笑い、こう言った。
「援助交際どころか顔も合わせてもらえんわ。ちなみに俺は童貞や」
幼顔の無邪気な顔。
ゾクリと寒気がした。
笑った…？この状況下で…？頭がおかしくなったの？
でも目が笑ってない。虚ろのまま。
「いっぺんツラ拝んだらどうや？彼女はそこらの女より遥かに美しいで？棘が多過ぎて触れられないけどな」
そう言って彼は笑う。虚ろな目のまま。
「お前はその養分となって朽ちるだけだから、今のうちにボロボロにしても文句ねえよな？」
ああ、なんだっけ。そんな感じの曲あったよな…
ひゅっと雑巾やら彼のノートが彼の元へ飛ぶ。
見事にあたり、鈍い音をたてた。
僕は彼を見てられなくて、その場から逃げ出した。
・・・・・・
「朝ごはん、いる？何か食べないと体に悪いわよ」
家から出られない悪夢。
でもお母さんのご飯は食べたくなくて、でも顔を合わせたくなくてここから出られなくて、もう食べる事をしなくなった。
少しだけむちっとしていた腕も細くなったし、ダイエットには丁度いいかな、とか思いつつあまりの空腹に耐えられなくなっていたのも事実だった。
「有加！」
「いま行く…」
お母さんの悲痛な声。
いくら私でも耐えられなかった。
ドアを開けるとスーツを着ているお母さん。仕事をしているからね。それは容易に想像出来ていた。
「今日はね、有加の大好きなワカメの味噌汁があるわ！」
そう言ってお母さんは笑う。
その手は小刻みに震えていて、その笑みも必死に作り上げてるような気がした。
とうとうフェアリークイーンを捨てられなかった私が怖いのだと。
「…食べましょ？ね？」
お母さんはそう言ってキッチンへ入って行った。
その笑い方、少しだけ虎次郎君と似ていると思ったのは心の中にしまっておこうと思った。
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杜若蒼(プロフ) - まおさん» コメントありがとうございます♪待っててくれるんですか！ありがとうございます！本当に遅くなるかもしれませんが頑張って書きますね♪ (2014年10月5日 21時) (
レス) id: 55b24aa62f (このIDを非表示/違反報告)
まお(プロフ) - すみません、始めましてじゃなくて初めまして？でした… (2014年10月5日 21時) (レス) id: 3cad231990 (このIDを非表示/違反報告)
まお(プロフ) - 始めまして！とっても面白いです！そして温かいお話ですね…。ちなみに私は浦正くん推しです。更新いくら遅くとも待ちます！それくらいこのお話が好きです。応援してます。頑張ってください！ (2014年10月5日 21時) (レス) id: 3cad231990 (このIDを非表示/違反報告)
杜若蒼(プロフ) - TAMIKOさん» 了解でーす♪書き上げ次第更新しますね♪コメントありがとうございます♪ (2014年5月24日 4時) (レス) id: 064ab8f00f (このIDを非表示/違反報告)
TAMIKO(プロフ) - 早くー！続きー！待ってます！ (2014年5月24日 0時) (レス) id: 73739dc8a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：杜若蒼 | 作成日時：2014年3月24日 14時
