第三十波 ページ30
癖で桃君を待っていた。でも、しばらく経ってそうだ。絶交したのだったと思いながら一人きりで歩き出す。
1人でここを歩くのはもしかしたら初めてかもしれないな。入学式も一緒だったからな。
そう思いながら1人で歩いて行った。
「よお」
不意に声をかけられ後ろを振り向く。
明るい髪の毛で青いブレザーの男の子が後ろに立っていた。
「おはよう虎次郎君」
「おはよう…1人なのか」
「まあね。いつも1人だよ」
嘘だよ。
でも、虎次郎君は俺が1人の時しか見てないから。
大丈夫。ばれないはず。
「学校行きたく無いわ。今日はテストあるんや」
「テスト？うわ、さすがだな。俺らの所、先生に諦められちゃってる」
「中間期末くらいはあるでしょ？」
「まあな。あ、俺2位だったんだぜ！」
「2位？凄いやん」
2位なんて…取ったこと無い。
真ん中より下をうろちょろしてる俺は…2位なんて夢のまた夢だ。
俺は…
「あ、俺らこっちだから。じゃあね」
「うん」
にこやかに笑って彼は分かれ道を行く。
たった1人になってしまいやっぱり孤独だった。
でもそんなの、大した事無かったんだ。
学校に着くと上履きが無い。
本当に地味に傘立ての中に落ちていた。
偶然かな？と思ったが違った。
教室に入ると一斉にうるさい教室が静かになる。
席につこうとすると机の上は破れた教材や落書きされたノート。折れたシャープペンやゴミ。
思わず頭の中が真っ白になった。
「なんで…」
「中野風男子学園なんだから、もう勉強なんてしなくていいよね〜」
「俺、不良とは話したく無い」
「不良とか、世の中に要らないクズ」
どっと笑いが起きる。
その中には眼鏡の友達…桃君もいた。
不良？クズ？全部桃君が言っていたじゃないか。
皆そんなのを本気で信じて…
「あんたさ〜中野風男子学園なんかと手を組んで、何企んでるの？」
「低能のクズとよく仲良く出来るよね〜あんたも低能だから？」
クラスの女子の一言で教室中が笑いに包まれる。
なんで…
「中野風男子学園ってだけで低能でキモいんだけど」
「それにあんた、中野風男子学園の不良女、好きなんだって？」
「クズはこの学校に要らないんだよね〜中野風男子学園の女好きだなんてクズ以外のなにもんでもないわ」
『うちの学校クソだわ』
ふとひたすらぶつけられる言葉の暴力の中、有加ちゃんの言葉を思い出す。
有加ちゃん自体がそんな事を思っているということを思い出して、俺は立ち尽くしていた。
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杜若蒼(プロフ) - まおさん» コメントありがとうございます♪待っててくれるんですか！ありがとうございます！本当に遅くなるかもしれませんが頑張って書きますね♪ (2014年10月5日 21時) (
レス) id: 55b24aa62f (このIDを非表示/違反報告)
まお(プロフ) - すみません、始めましてじゃなくて初めまして？でした… (2014年10月5日 21時) (レス) id: 3cad231990 (このIDを非表示/違反報告)
まお(プロフ) - 始めまして！とっても面白いです！そして温かいお話ですね…。ちなみに私は浦正くん推しです。更新いくら遅くとも待ちます！それくらいこのお話が好きです。応援してます。頑張ってください！ (2014年10月5日 21時) (レス) id: 3cad231990 (このIDを非表示/違反報告)
杜若蒼(プロフ) - TAMIKOさん» 了解でーす♪書き上げ次第更新しますね♪コメントありがとうございます♪ (2014年5月24日 4時) (レス) id: 064ab8f00f (このIDを非表示/違反報告)
TAMIKO(プロフ) - 早くー！続きー！待ってます！ (2014年5月24日 0時) (レス) id: 73739dc8a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：杜若蒼 | 作成日時：2014年3月24日 14時
