第二十七波 ページ27
私が…ジャックナイフ？
ジャックナイフは虎次郎君。私じゃない。
なんで？なんで浦正はジャックナイフって叫んでるの？
今ここにはジャックナイフはいないのに。
そんな事を考えているうちに浦正は意識を失った。
どうすればいいか。分からなかった。
ファンファンとサイレン音が聞こえる。いつもなら逃げる音。聞こえないのが1番いい音。大嫌いな音。
でも、浦正を置いて逃げるなんて出来ない。出来っこない。
何人もの警官が入って来て、周りに転がっていた男どもが逃げ出しても、私は逃げられなかった。
「お嬢さん、署まで来て頂けますか？」
声をかけられても返事が出て来ない。
腕を掴まれ、いいから来い、と言われた。
「やだ、やよ。」
逆らわない方がいい。
分かっているのに。分かっているのに！
「浦正を病院に連れてってくれるまで離れないから！」
離れたくない。
今の浦正と絶対離れたくない！
「あの、それは…」
「逃げないから、早く救急車呼んでよ！怪我してるの！」
目を閉じている浦正。
頭を打ってたら…もし…死んじゃったら…
「救急車到着いたしました！」
「よし！まずこの男の子運べ！輸血の必要性あり！お嬢さん、この子の血液型は？」
「確か…Ｏ型です」
救急隊員は私の目を見て頷く。
運ばれて行く浦正を見ていると私の涙は止まらなかった。
浦正に助かって欲しい。
そんな事しか考えられなくて、パトカーに乗せられ、降りろと言われるまで、他の事を考えることが出来なかった。
取調室に当然の如く入れられる。
何回入ったっけ？
多分片手では数えられない。
「京本有加さん。でよろしいですか？」
「はい」
「あなたはなぜ、あそこにいたのですか？」
「…浦正が行ったから」
「青明寺さんが行った理由は？」
浦正が行った理由…？
そんなの…瀬斗が来て…
「爆弾…」
そうだ。爆発するって言われたからだ。
来なかったらこの学校が…爆破されるって言われて浦正は…
「浦正が行かなかったら、学校は爆破されてた…」
考えていなかった。ただ、瀬斗には勝てないと思ったから、私は行った。
瀬斗は因縁の相手。
過去最悪に手こずった相手…
それなのに私は勝てた。
なぜ勝てた？
浦正を苦しめた瀬斗が許せなかったから。
浦正が…好きだから許せなかった。
守りたいものがあったから、私はあの時勝てたんだ…
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杜若蒼(プロフ) - まおさん» コメントありがとうございます♪待っててくれるんですか！ありがとうございます！本当に遅くなるかもしれませんが頑張って書きますね♪ (2014年10月5日 21時) (
レス) id: 55b24aa62f (このIDを非表示/違反報告)
まお(プロフ) - すみません、始めましてじゃなくて初めまして？でした… (2014年10月5日 21時) (レス) id: 3cad231990 (このIDを非表示/違反報告)
まお(プロフ) - 始めまして！とっても面白いです！そして温かいお話ですね…。ちなみに私は浦正くん推しです。更新いくら遅くとも待ちます！それくらいこのお話が好きです。応援してます。頑張ってください！ (2014年10月5日 21時) (レス) id: 3cad231990 (このIDを非表示/違反報告)
杜若蒼(プロフ) - TAMIKOさん» 了解でーす♪書き上げ次第更新しますね♪コメントありがとうございます♪ (2014年5月24日 4時) (レス) id: 064ab8f00f (このIDを非表示/違反報告)
TAMIKO(プロフ) - 早くー！続きー！待ってます！ (2014年5月24日 0時) (レス) id: 73739dc8a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：杜若蒼 | 作成日時：2014年3月24日 14時
