第二十波 ページ20
6月のはじめ。
青い葉が風で揺れ、ぽかぽか気持ちが良い日だった。
朝、涼真を見かけたが、眼鏡もいた為話しかけること無くすっと通り過ぎた事だけが今日の心残り。まあ、特に話しかけることがあるわけでもなし。でも手すら振れないんだよな…
「ちょっと馬鹿浦正なにやってるの？」
「へ？うわ、もう着替えてるのかよ…着替えてくる」
普段は有加ちゃんが出て行って着替えるんだけど、周りが飯食い出した所で着替えるのは流石に気が引けて、制服を持って空き教室に飛び込んだ。
当然だけど誰もいなくて、俺はパパッと着替え出した。
着替え終わった時、外からバイクの音が聞こえる。
別にバイクの音自体は全然珍しくない。でもなんとなく外を見る。
…うちの学校の生徒ではない。
そんな事を最初に思った。
たまにいる、制服のまま校内をバイクで走り回る奴ではなく、黒い詰襟制服。3台あるどのバイクも派手で、乗りこなしが上手い。
先頭の奴がブレーキをかけると、後ろにいた2台も上手くブレーキをかける。
バイクを降りた先頭の奴の印象は、鍛えられてるとはとても思えないほど細くて、よくあそこまで上手くバイクを乗りこなしたと思ったほどだった。
窓から顔を出すと、黒いヘルメットを外し、こちらを見た。
細いだけじゃない。かなり端整な顔立ち、黄色のメッシュが入った髪の毛も、彼の端整な顔立ちを際立たせる。
彼は俺をしっかり目で捉えたと思ったのか、貴公子さながらにお辞儀をし、よく通る声で話しかけてきた。
「青明寺浦正さんですよね？僕の名前は瀬斗光黄と申します。本日は、挑戦状をお持ち致しました」
挑戦状？
首を傾げると彼はくすくすと笑った。
「大分長い間戦闘から離れていたようですね。まあ、いいでしょう。ブルートルネード」
思わず目を見張る。
ブルートルネード…俺の中学時代のミドルネームだ。
本名よりもそちらの方が通っていた。
彼はくすくすと挑発するように笑う。
「ジャッカル…いや、ジャックナイフと言った方がいいですか？ジャックナイフと、フェアリークイーンを連れて来てください。1人で来ても構いませんが…その3人以外が来たらこの学校を爆破します。来なかった場合も同様です」
てめーらふざけるな！と叫ぼうかと思った。
でも、声が出なかった。
爆破？
そんなの繋がりさえあれば簡単だ。
それに俺だけで行けばいい話だから。
違う。
この手の震えは違う。
ジャックナイフ…
その名前はまだ俺にトラウマを残していた。
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杜若蒼(プロフ) - まおさん» コメントありがとうございます♪待っててくれるんですか！ありがとうございます！本当に遅くなるかもしれませんが頑張って書きますね♪ (2014年10月5日 21時) (
レス) id: 55b24aa62f (このIDを非表示/違反報告)
まお(プロフ) - すみません、始めましてじゃなくて初めまして？でした… (2014年10月5日 21時) (レス) id: 3cad231990 (このIDを非表示/違反報告)
まお(プロフ) - 始めまして！とっても面白いです！そして温かいお話ですね…。ちなみに私は浦正くん推しです。更新いくら遅くとも待ちます！それくらいこのお話が好きです。応援してます。頑張ってください！ (2014年10月5日 21時) (レス) id: 3cad231990 (このIDを非表示/違反報告)
杜若蒼(プロフ) - TAMIKOさん» 了解でーす♪書き上げ次第更新しますね♪コメントありがとうございます♪ (2014年5月24日 4時) (レス) id: 064ab8f00f (このIDを非表示/違反報告)
TAMIKO(プロフ) - 早くー！続きー！待ってます！ (2014年5月24日 0時) (レス) id: 73739dc8a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：杜若蒼 | 作成日時：2014年3月24日 14時
