第一波 ページ1
私は母の胸に抱かれている。
でも私はここには居たくなくて。
私は…泣いていて。叫んでいて。
でも離れる事など出来ない位強く抱きしめられて、足をバタバタさせながら「お兄ちゃん」と叫んでいた。
「嫌だ、お兄ちゃん！お兄ちゃん！」
目線の先には男の人に抱かれた小さな男の子。
男の子も叫んでいて、「有加！」と聞こえてくる。
「離せよ！有加！行くな！」
「お兄ちゃん！お兄ちゃん！」
でも私の意思など通用しないかのように私は彼から離れて行く。
お兄ちゃん！置いていかないで！
離れないで！
一緒にいて！
お兄ちゃん！お兄ちゃん！
「…は、は、はぁ…」
また嫌な夢を見た。
不安な事があるといつもこの夢を見る私。
一人っ子として生きてきたのに、私にお兄ちゃんがいるという事を忘れさせない夢。
今日も見てしまったという事は、相当不安なのだろう。
「っていけない！入学式遅刻する！」
私は用意しておいた青いブレザーの制服を着て、急いで準備をし、走って冷蔵庫の中のクラッシュゼリーを手に取る。
丁度母が台所に立っていて、私を見ていた。
「いってきます！」
そういうと、母はビクッとして振り返る。
私は黙ってアパートを出た。
あれ、学校こっちかな…それともこっち？
まあいいや。
私は近くを通りかかった紺のブレザーを着た男の子2人に声をかけた。
「すみません。中野風学園ってどの道行けばいいんですか？」
「な、中野風学園…？俺、知らへんのやけど…」
「中野風学園なら、そこの道を曲がればすぐ…ですよ」
関西弁の男の子とメガネの男の子。メガネの男の子は戸惑いながら道を教えてくれた。
「ありがとうございます」
さあ、入学式だ。
急がないと遅刻しちゃう。
私は早歩きで2人に背を向けた。
「桃君あの子、めちゃめちゃかわええ！」
「涼真君、それはそうだけど…中野風学園って…中野風男子学園…？男子校じゃなかったっけ?」
メガネの少年は首を傾げた。
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杜若蒼(プロフ) - まおさん» コメントありがとうございます♪待っててくれるんですか！ありがとうございます！本当に遅くなるかもしれませんが頑張って書きますね♪ (2014年10月5日 21時) (
レス) id: 55b24aa62f (このIDを非表示/違反報告)
まお(プロフ) - すみません、始めましてじゃなくて初めまして？でした… (2014年10月5日 21時) (レス) id: 3cad231990 (このIDを非表示/違反報告)
まお(プロフ) - 始めまして！とっても面白いです！そして温かいお話ですね…。ちなみに私は浦正くん推しです。更新いくら遅くとも待ちます！それくらいこのお話が好きです。応援してます。頑張ってください！ (2014年10月5日 21時) (レス) id: 3cad231990 (このIDを非表示/違反報告)
杜若蒼(プロフ) - TAMIKOさん» 了解でーす♪書き上げ次第更新しますね♪コメントありがとうございます♪ (2014年5月24日 4時) (レス) id: 064ab8f00f (このIDを非表示/違反報告)
TAMIKO(プロフ) - 早くー！続きー！待ってます！ (2014年5月24日 0時) (レス) id: 73739dc8a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：杜若蒼 | 作成日時：2014年3月24日 14時
