風男塾であり幼馴染であり (ページ9)

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第二波　狂平目線ページ9

職員室の前の部活紹介のポスターで「オタク男女集まれ！」と書かれた風男塾ポスター。
丸っこい字でおそらく女子が書いたもの。
その隣には漫画同好会、アニメ同好会のポスター。
だからここにいても馬鹿にされないかな。
「妖精を信じている」なんていじめられないかな。
漫画やアニメオタクは二次元好きなくせに妖精を信じようとしない。
前の学校で十分理解した。
風男塾なら、同好会も別にあるし、きっと馬鹿にされることはない。
先生に入部届けをどうすればいいか聞いたらものすごく驚かれた。
先生たちは風男塾をあまりいいものと見ていないようだった。

「君は理科の成績がかなり良いのだから、科学部、生物部なんてのもあるが？風男塾なんて君のレベルには合わないと思うが」
「多分うまくやれないと思います」

いくら俺が爬虫類好きだとしても妖精がいるなんて行った瞬間に嫌われるに決まっている。『妖精は生物じゃない』と言われるに決まっている。
腐男塾は嫌わない、と決まったわけじゃない。でも俺は入部届けを書いた。

初めにメンバーの女子に詳細を聞いて驚いた。
同好会は別にあるのに風男塾にはゲームや漫画オタク、アニメオタクがいた。

ゲームや漫画オタク、原川まりる
大人っぽくて体が大きいから運動系だと思った。風男塾の理由は漫画同好会には女子がいないから。それはわかる。

アニメオタク、武器屋桃太郎
副部長、と言われた。でも入部届けを受け取ったのは彼。おっちょこちょいらしい。でも俺にとったら一番警戒心が解けない。

みんな、温かく迎え入れてくれたけど、このメガネにだけは心を打ち解けられるかわからなかった。

そして隣の席の大橋A・・・
なぜか懐かしい感じがした。

道に迷って部室に戻ってメガネを含む４人に見つかった。
朝、先生が俺を紹介しようとして早めに行ったら宿題をやっていた、貸していたで怒られた４人。よく見たらカバンが置いてあった。きっと提出してきたのだろう。

青明寺が『狂平時間ある？』と聞いた瞬間、怖くなった。
さっき呼び方があーだこーだ言っていたばかりだ。
何かされるんじゃないか。何かされたらどうしよう・・・
つい頷いてしまったあとの青明寺の笑った顔も怖かった。

「ラーメン食いに行こうぜ！俺おごる！」

・・・・・・