第四波(6) ページ31
「どうしますか?バーベキュー」
「そんな気分じゃねーよ。でも家帰っても何にも出来ない・・・」
コジくんが机に伏せた。
私もバーベキューって気分じゃない。
「悪いけど光黄とA、別のもん作れる?何か軽く。食欲出ない」
「いいけど、浦正、大丈夫?もう寝たら?顔色おかしい」
「まあ、ちょっとな」
・・・やっぱりショックだよね。狂平くんと一番仲が良かったし。
「なあ、A、狂平の母親は狂平のこと大事にしてたよ」
「え?どうしたの?」
「『もう、離婚してますから、他人だから。子供たちに関わらないで。貴方の嫁ではないの。狂平がああなったのは貴方のせいでもあるのよ。本人が隠してもわかるのよ。私は本当の親だから!』って言ってた。壁越しに聞いただけだけど・・・」
「・・・そっか。狂平くんに聞かせないとね」
隠してもわかる。本当の親だから。
大事にしてないと出てこない。きっとそう。
「・・・やっぱり寝るわ。女子は皆部屋にいるぞ。A、おやすみ」
「うん。おやすみ」
浦正は最初に割り当てられた部屋に入った。
狂平くんと一緒の部屋。
「A先輩とコジ先輩はどうします?部長もメガネ先輩も部屋に閉じこもっちゃて」
「寝る。明日病院行きたいし。夕食いいや。おやすみ」
「じゃあ、俺も寝ますね。おやすみなさい」
おやすみ
明日は私も病院へ行こう。
そう思った。
「何か、ショックや」
「私も。ちょっと怖いわ」
「狂平くん、大丈夫かなぁ」
ガールズトークにならない暗い雰囲気。何か嫌だなぁ。
「そういえば、○○の森にいたってよく見つけたね」
「あ、うん。なんて言うか、女のかんって奴」
「そっか。見つけなかったら、大変なことになったかもね」
曖昧に頷くと、私は布団に潜り込んだ。
「明日、病院行こうね」
誰の声かわからなかった。
私は瞼を閉じた。
・・・・・・
36人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
K - これはやばい、泣きそうなるwwおっしゃ、続きみてきます!! (2014年7月24日 16時) (レス) id: 62927ed8ab (このIDを非表示/違反報告)
杜若蒼(プロフ) - 馬鹿様@義さん» 嬉しいです!ありがとうございます☆ (2013年7月26日 20時) (レス) id: 064ab8f00f (このIDを非表示/違反報告)
杜若蒼(プロフ) - ちゅりさん» 容量関係で新しい奴作ったよ♪ (2013年7月26日 20時) (レス) id: 064ab8f00f (このIDを非表示/違反報告)
馬鹿様@義(プロフ) - とてもいい話ですっ!!めっちゃ続き気になるます!! (2013年7月26日 17時) (レス) id: 2449c355ab (このIDを非表示/違反報告)
ちゅり(プロフ) - 続き気になる―やっぱり面白い (2013年7月19日 17時) (レス) id: d15994d5d7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:杜若蒼 | 作成日時:2013年5月26日 23時