風男塾であり幼馴染であり (ページ12)

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第二波　狂平目線ページ12

ごめんなさい。

青明寺。

せっかくのおごり、無駄になっちゃった。

今、ラーメン屋のトイレの個室にいる。
食べたものを戻している。

・・・・・・俺は拒食症だ・・・・・・

この通り食べ物を胃が受け付けない。

病院には行っていない。
行きたくない。

親が二度目の離婚をしたばかりで時間もなくて、名字も変わったばかりで住んでる所の地理も理解しきれてなくて。

ホントはもっと重い病気かもしれないけど行くのも怖い。

俺が病気ってだけで(離婚したからもう父親じゃないけど)母さんが、姉ちゃんが何されるかわかんない。

本当の父親じゃないくせに、俺の成績のことに口出す父親。
全寮制の学校に中学から逃げて、いじめられて、あざをつけられて、家に帰ると家庭内暴力が待っていた。

俺の成績が悪いから。

母さんが殴られて、姉ちゃんは就職を期に逃げた。
俺は家に戻るたんびに義父に殴られる、竹刀で体の見えないところにあざをつけられる。

でもそれだけじゃ拒食症にならない。

最大の理由は多分新しいいルームメート。

高１でハブかれて一人部屋にされて、高２で転校してきたやつとルームメートになった。

そいつはかっこいいし、成績もいい。夢があってキラキラしている。昔の仲間ともしきりに連絡を取っていて俺にはないものを持っていた。

そんな奴に絶対に俺のいじめのこととか家庭内のこととか、とにかく汚いものを見せちゃいけないと思った。

でも大風呂に一番最後に入ろうとした俺をそいつは見つけた。
体中のあざを見られた。

そいつは慰めてくれたけど何も変わらない。
むしろどんどん状態は悪くなる。

いつの間にか食べたものを戻すようになって、どんどん体重が減っていった。
最後に測ったときは41キロ。多分もう30キロ代まで落ちている。

俺は親の離婚を期に学校からも逃げた
ルームメートがいない隙に荷造りをして部屋を出ていった
誰にも挨拶をせず出ていった

・・・・・・

中野風学園に転校したのはこのへんで学費が一番安い私立で、途中からの転校も可能で、俺の学力でも入れる学校だったから。

でも、そこで初めて出来たかもしれない友達を俺は早速裏切っている。

おごってもらったラーメンを早速戻すなんて、やっぱり最悪。

味は美味しかったよ。青明寺が替え玉おかわりするだけあるね。

でもごめんね。食べれないんだ。

人とどう付き合えばいいのかも覚えてないんだ。
だから風男塾でこれから思い出すようにするよ。

ごめんね。