【ヘタリア】SOUL or HEART

第四話 ページ6

｢はあっ、はあっ｣


人生のベスト3に入るくらいの勢いで走ってしまいました。

それにしても、この町はいつから悪魔の沢山居る町になってしまったのでしょうか。

さっきの人もよく見たら角とか牙とかあったような気がします。

とりあえずサッサッと辺りを見渡して蛇口さん(A命名)が居ないか確認します。

どうやら本当に追ってこなかったようです。

殴る前に結構時間を作っておられましたし、魂取る気無かったんでしょうかね。

まあ、何はともあれ買い物続行です。

そうです、私はあんなことでは倒れ込んだりしません。

メンタルは強い方ですしね。

しばらく歩くと、やっと行きつけのスーパーが見えてきました。

早速中に入って行きます。


｢えっと、まずはコーヒーですね｣


いつものにしましょうか。

いや、たまには違ったのも飲んでみたいですね。

うーん、非常に悩みます。


｢あ、あの…｣


でも、失敗してまずいの買ってしまったら勿体ないですね…。


｢す、すみませ…｣


いやいや、そんなんだからいつまで経っても同じのしか飲めないんですよ！

やっぱり、こっちにしてみましょう。


｢Aさん！｣


おや、何か私を呼ぶ声が何処かからするような…、気のせいでしょうか？


｢お願いだから…気付いてください…｣

｢えっ？｣


振り向くと、見覚えのある人影が。

あ、さっきの声はひょっとしてマシューさんでしたか。


｢あ、誠にすみません。コーヒーに集中してしまいまして｣

｢いえいえ、僕こそ急にごめんなさい｣


今私の目の前で照れ笑いながら謝っている彼はマシューさんと言って、私の仕事仲間です。

少し言ったら悪いのですが、影が薄いところがあって気付くのにとても時間がかかってしまいます。

しかし、そんなことを本人の前で言えるわけも無いので慌ててコーヒーのせいにしてしまいました。

はぁ、時間をかけなくても、彼の事に気づけるようになりたいものです…。

彼も大変でしょうしね…。


｢いえ、構いませんよ。それより、マシューさんは何を買いにここへ？｣

｢あぁ、僕は今日のご飯の材料を買いに来ただけですよ。偶然見かけたので声をかけようと思って｣


私とマシューさんは、しばらくその場で談笑し、そのまま一緒に買い物をすることになりました。

まぁ、彼とは付き合いが長いので、こういうこともよくあります。

それから、スーパーを出た時に、異変は起こったのです。

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