【ヘタリア】SOUL or HEART

第十三話 ページ15

とうとう家の前まで来てしまいました…。

家の中は大丈夫でしょうか……？

私は深呼吸をしてから鍵を開け、ゆっくりとドアノブを捻りました。


｢ここに皆居るのかい？｣


悪魔さんーいえ、後からアルフレッドという名前だと知りましたので、これからはアルフレッドさんと呼びましょうーは、待ちきれない！とでもいうようにうずうずしながら私を見ました。


｢はい、……おそらく｣


私は前を見据えながらゆっくりとドアを開けました。

……おそるおそるアルフレッドさんと一緒に家の中に入りましたが、何の音沙汰もありません。

ひょっとして居ないのでしょうか？

とりあえずリビングに行ってみましょう。


｢本当に居るんだろうね？｣


アルフレッドさんがジトッと見てきました。

うぅ、視線が痛い…。

自信なくなってきました…と言おうとしたときー


｢アル？アルなのか？｣


おうわわわ！

私の立ち位置から見て後ろにある食卓の方から声が聞こえてきたのでびっくりしてしまいました。

慌てて振り返ると、悪魔達四人が仲睦まじく(？)テーブルを囲んでいました。


｢WOW!もうそんなに集まってたのかい？｣


アルフレッドさんは、笑いながら四人の元へ歩いて行きました。

さて、私はどうしましょう…。


｢戻って来てくれたんだね｣


はうあ！

この声はフェリさん！？

他の四人はそれぞれで話をしているみたいです。

というか、いつの間に私の背後をとって…！？

思わず目がいつもの1.5倍開いてしまいました…。


｢信じてたよ｣

｢いや、信じてても信じておられなくてもここ私の家ですから帰ってくるに決まってます！｣

｢あはは、それもそうだね。元気そうで何より｣


フェリさんはニッコリと笑いかけてきました。

だいぶ感性が私達とは異なっているので、分かりにくいのですが、なんとなく、昨日のこと気にして下さったのでしょうか？


｢それは良いとして、何処行ってたの？何処に泊まったの？｣


急に笑みがすっと消え、今度は真顔で尋ねてきました。

この温度差が怖い！


｢会社の知り合いのところ、ですよ？｣

｢男？女？｣

｢えっ｣


フェリさんの周りだけ吹雪が舞いそうなほど雰囲気が冷たい！
と、思いきや、すぐにまたニッコリ笑顔に戻り、


｢冗談だよ〜。人間なんかに取られる前に、俺が身も心も、そして、魂も奪ってあげる｣


と、ブラック発言をかましました。


｢それは絶対に無いでしょうね｣


たまには私も余裕を見せたくなるものです。

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