狙われたふたり。2 (ページ44)

今日:4 hit、昨日:41 hit、合計:17,778 hit

93 ページ44

玉

2人が復帰して数週間経っただろうか。
何かおかしいんだよね。
仕事はちゃんとやってるし、何もないんだけど
帰って来るのが遅すぎるんだよ。
仕事内容とか場所、大体の時間が共有されているんだけど
多めに見ても全然足りないぐらい遅いの。
不思議なのがさ、いっつも2人で帰って来るの。
ロケとかで一緒に帰れる距離じゃなくても、
終わる時間が大幅に違う場合でも、絶対一緒なの。
しかも、めちゃくちゃ疲れてるの。
質問する間もなく、部屋に行っちゃうから俺たち何も言えなくて。
けど、流石に心配だから今日は話することになった。
てか最近なんて朝帰って来るの。
夕方に終わる予定なのに、朝帰宅して、数時間寝て出るみたいな。
身体壊れちゃう、、。
グループの仕事終わりの日、連れて帰ったらよくね？って
思ってるでしょ？？それ出来ないの。
何故かグループの仕事の後は必ず、個人仕事入ってるの。

今、朝ご飯みんなで食べてて、そろそろ話しないとねって。
2人はいないけど。。。もうどこいってんだろ。
と思ってたらガチャとドアの開く音がした。

「おかえり、え。」

「ミツ！！佐久間！！」

帰ってきたと思って玄関に行ったら、
倒れてる。声掛けても全然起きなくて怖くて。
救急車を呼び、向かえるものだけ病院へ。
何だ、何がどうなっている。
状況を上手く呑み込めないまま、病院へ向かう。

「過労と睡眠不足です。
栄養剤を投与してますので、それが終わったら帰れます。
お2人とも目覚められていますよ。」

見に行くと、先程とは違い顔色の良い2人が居た。
安心はしたけど、やっぱ不安が残る。
何があったの、と聞こうかと思ったけど
病み上がりの状態で問い詰めるのは、流石に良心が痛んだ。

1時間も経たずに、点滴は終わり帰ることに。
しんどそうでもないけど、何か引っかかる。
けど俺にはどうしようもないから、家へ戻る。

「心配かけてごめんなさい。」

家に向かう車の中で発せられた言葉。
それに続くように、ごめんなさい。という佐久間。
何と返せばいいのか、悩んでいると

「大丈夫。2人が無事で本当に良かったよ。
けどあんまり無理しないでね。
家帰ったら1回寝な？」とニカが言った。

家に帰るとすぐに部屋に戻る2人。
日頃あんまり寝られていないんだろう。
2人が部屋に入ったのを確認してから、
今家にいる人が自然とリビングに集まった。