狙われたふたり。2 (ページ43)

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あれから数日後。北山くんが昨日退院した。
佐久間もあれから体調は良好だ。
まるで復帰時期に合わせたようなタイミング。
まあ、2人が大丈夫ならいいんだけど。

「ふっか、ごめん。起こしてきて。」

「おっけー。」

「北山くん、さく、起きてください。」

そう、2人は一緒に寝てる。
何か自然にそうなったぽいけど、その方が安心だったりする。

「おはよ。ふっか有難う。
北山くん、起きてください～。」

「ん、はよ。」

「ちゃんと寝られました？
さくの過呼吸とか大丈夫でした？」

「もう大丈夫だよ。
ふっか何回聞いてるの？？」

心配だからだよ。とは言えず、
冷たい返しをしてしまう俺、情けな。

ご飯食べながら明日のことを話す。
明日はいよいよ2人が復帰する日。
あんなことがあったから、復帰時期をずらそうか
どうしようか、たくさん考えたけど
結局、良くなって良かったと思ってる。
北山くんの傷は完璧に消えないみたいだけど。

あ、そういえば、あいつら
まだ捕まっていないみたい。
警察に話して捜査してくれてはいるみたいだけど、
あそこ山奥だったし、監視カメラもなかった。
それに顔も何となくしか覚えていなかったので
決定的な証拠は何もない。

だから本当は怖いんだよね。
あいつら野放しの状態で、復帰させるの。
どこかで捕まったらどうしようって。
後輩もそう。警察が動いていることは知っていると思うし
そうなれば、言わなくてもあの中の誰かが言ったと
思うだろうと思うから、怖い。どうしようもなく。
グループの他メンバーには話していて、
1人にならないようにはしてる。
でもずっとそういうわけにもいかないだろう。
個人仕事だってあるだろうし、どこまで守れるか。

復帰当日になった。
まだ踊ったりはだめと言われているので、
今日は2人共ラジオ収録のみ。
メンバー3人しか参加しないのに、
みんな心配で見に来てる。そういう俺も。
北山くんも同じ時間帯で収録しているらしい。

収録が無事に終わった。
何事もなく終わったので、安心した。
北山くんたちも丁度終えたようで
一緒に帰ることにした。

帰って来るなり寝る2人。
ほんの数時間だったけど、久しぶりで疲れたよね。
夜ご飯まで時間あるし、寝かせようと。