狙われたふたり。2 (ページ40)

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橋

次の日。つまり病院に行く日。
会いたいけど、怖い。
その相反する感情が交互に来ていて、
考えるだけでおかしくなりそう。
けど、「会いたい」気持ちの方が強いから。

朝ご飯いただいて、
二階堂くんと共に車に乗る。
そして各々の家の近くまで行き拾っていく。
もう病院。いや早くね。

あっという間に病室前。
心臓がバクバク何だが。
でも入らないと何も始まらないから、
ノックをして入る。

やっぱり、憶えていなかった。
悲しいとか苦しいとか寂しいとか
色んな感情が溢れてきて
訳わかんない。
けど、同時に元気そうでよかったとか
生きててよかったと思った。

その後、二階堂くんに連れられて
先生、北山くんたちの主治医なのかな？
多分そうだと思う。
先生に会いに行くと、１人１人カウンセリングを受けた。
正直、話せてスッキリしたというか。
何だろ、モヤモヤが少なかった感じ。
まあ、俺は昨日先輩たちにたくさん聞いてもらったから
大分楽だったけど。

北山くんの記憶障害はあの日だけらしい。
あの日の出来事、あの日に関わった人のことを
忘れているんだろう。
正直、めちゃショックだったけど、
それぐらいストレスというかしんどかったんだろうなって。
記憶障害って忘れたい記憶とかそういうのに蓋したり
するって聞いたことがある。
佐久間くんは一時期だけど、全部の記憶、
自分自身のことも忘れるぐらい
ストレスがかかってたと思うと、
何もできなかった自分が情けない。

病院には定期的に通うよう言われた。
みんな仕事の都合上、バラバラだけど。
それから、もう溜め込まないように
何かあったら、5人か先輩たちに言うように約束した。

今日はみんな仕事オフだって言うと、
丁度お昼だから、みんな来れば？といい、
シェアハウスにお邪魔することに。
着くとお昼ご飯のいい匂いが漂っていた。

「あ、急にきてすみません。
皆さん、お疲れ様です。」

「大丈夫だよ。二階堂くんから聞いてるから。
とりあえず、みんなでご飯食べよう。
ご飯食べている間は、楽しいことだけ考えなね？
せっかく、美味しいご飯なんだから。」

本当においしかった。幸せだなと感じた。
久々に心から笑いあえた気がする。

「はしもっちゃんが言ってくれた情報、
警察に言ってきた。
山奥だから防犯カメラもあるか微妙だけど、
捜査してくれるって。
あと、怖かった思いした後にすぐ聞いてごめんね。
って言ってたよ。」