狙われたふたり。2 (ページ36)

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その後、看護師さんに連れられて
佐久間がやってきた。
薄着じゃんとか、心配かけんなよ、とか
いっぱい思うことはあったけど、

「佐久間、生きててよかった。
もう勝手にどこか行かないで。」

と抱きしめた。
1人また1人と重なり合った。
佐久間苦しいでしょ、でも許してよ。
これぐらい、それ以上苦しかったんだから。

「みんな心配かけてごめんなさい。
記憶が急に戻って、心臓のバクバクがうるさくて
どうしても北山くんに会いたくて。
でもみんなにちゃんと言うべきでした。」

「佐久間さん、北山さんに会いに行きますか？
まだ眠ってらっしゃいますが。
北山さんのことみたら無事だって安心できますか？」

「はい。会いたいです。」

本当は大人数で入っちゃだめらしいけど
特別に許可をいただき、
みんなで向かうことになった。
俺たちもあの日から会っていないから
今どうなっているのかドキドキする。

部屋に入ると、色んな管で繋がれている北山くん。
至る所に包帯が巻かれていて、痛々しい。
佐久間も全身傷があったけど、今はほぼ癒えている状態。
北山くん包帯の隙間から、傷が少し見える。
佐久間より傷を負ったことが分かる。
こんなに白かったっけ、こんなに細かったっけと
思うぐらい変わっていた。

「北山くん、、ごめんなさい。
俺、また北山くんに守ってもらった、。
き、きたやま、、く、ん、。」

だんだん息継ぎが変になっている佐久間。
近くに看護師さんが居たので、先生を呼んでもらった。
処置が必要なほど、過呼吸にはなっていないが、
今後、家に居ても過呼吸になるかもしれないから
用心して見ておくように言われたし、
呼吸の落ち着け方もちゃんと聞いた。

「北山くん、いつ目覚めますか？」

落ち着いた佐久間が言った。
先生は少し考えた後、

「もう少しだよ。
佐久間さんも頑張ったから北山さんも今
頑張って闘っています。
もう少し待てるかな？」

まだ時間は掛かるんだなって思った。
でも佐久間を動揺させないよう、
具体的な数字を使わずに答えた。

「うん、わかりました。」

佐久間は納得してくれたようだった。
先生や看護師さんたちにお礼を言い、
車に乗せ、家に向かう。
俺の横に座っていた佐久間はすぐに夢の世界へ。
疲れるよな。
近いといえど歩くと結構な距離があるから。