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「ねえ、佐久間遅くない？？」
佐久間がトイレ行くって言ってから
10分以上は経過していた。
ドラマに夢中で全然気付かなかったようだ。
「一応見てくる、心配だし。」
お腹痛くてトイレから出られない状態なのかもしれない。
だけど、ノックをしても返事はないし
鍵もかかってない、電気も付いてなくて
確認するのが怖かったけど、
「佐久間、開けるよ？」と声を掛け
ドアを開けるが、やはりいなかった。
「佐久間、いない。
俺部屋見てくる。」
と言うと、みんなテレビを消し、
家中を探し始めた。
いない、いない、いない。
「外居るかも、靴がない。
俺車で探すわ。」
と二階堂くんが言って、
外の捜索を始めようとした。
舘さん康二ラウには、家に残ってもらった。
もしかしたら佐久間、戻ってくるかもしれないし。
ちょっと散歩行ってただけなのかもしれないし。
俺らは二手に分かれて捜索する。
佐久間が行きそうなところを探したけど、
佐久間の家も、事務所も、
思い当たるところは行ったけど居なかった。
先輩たちに連絡したけど、
見つからなかったと言われた。
その時、電話口の向こうから宮田くんの声。
「病院から電話来た。」
北山くん何かあったのかな？回復？
いろいろ考えていたら、
「佐久間、病院にいるって。」
という声が聞こえて、迷わず向かうことに。
家待機中のメンバーにも連絡した。
けど、何で病院？？
病院に着くと、看護師さんが来られて
先生がいる部屋に案内してもらった。
「先生、佐久間は？」
「とても体が冷えていたので、今温めています。
体温が異常に下がっていました。
ここに着いてすぐ、
「北山くんに会いたい」「北山くんは無事ですか」と
何回も何回も息が絶え絶えになりながら、
聞かれていたようです。
記憶が戻った可能性がかなり高いです。」
「もう暫くしたら、帰宅できます。
そして北山さんにも会って行かれたら
良いでしょう。」
「いいんですか？
北山くんよくなったんですか？」
「いえ、一度も目覚めていません。
ですが、数値は安定してきているので
よっぽどのことがない限り、
明日にはICUから一般病棟に移動させます。」
「佐久間さんが安心するなら、
その方がいいと思います。
北山さんのことを思って１人でここまで
来たくらいですから。」
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作者名：でん。 | 作成日時：2023年10月23日 20時
