狙われたふたり。2 (ページ33)

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佐久間は「大丈夫」と言ったけれど
とても大丈夫そうには見えない。
何かボーっとしてるし、
ただ疲れただけならいいんだけど。
他に余計なこと考えていなければいいなって。

「あのさ、俺アイドルなんだよね？
そんな大事な仕事なのになんで言ってくれなかったの？
結構大きい事務所だから、きっとファンもいると思うのに。」

ん？思い出したのか？？
いや、違う。言い方からして何処からか情報を得たんだ。
誰かに聞いたのか？？いや、部屋に居たはず。
ということは。

「佐久間、携帯触った？？
もしかして検索とかした？？」

「うん、そうだよ。
自分自身のこと知りたくて、何かヒントないかなって。
てか、誤魔化さないでよ。ちゃんと答えてよ。」

やっぱそうか。
北山くんのこと知ってしまう恐れがあるなんて言えない。
何ていえばいいのかわからない。

「ごめん。ごめん。
隠されるの嫌だったよね、ごめんね。
でも一気に情報を入れたらしんどいかなと思って言わなかった。
それに佐久間、記憶なくてもファンのこと気にする性格だって
分かっていたから。今はこの生活に慣れて欲しくて。」

ふっかが優しく言う。
それに納得したのかなと思っていたけど、

「わかった。
じゃあ、この先輩たちはどこのグループなの？
先輩って言うことは同じ事務所なんでしょ？
けど、6人組のグループに先輩たち居なかった。」

おっと。これは想定外。
自分のことだけじゃなく先輩たちのことも
調べていたなんて。
どうしようかみんな黙っていると、
佐久間が続けざまに喋る。

「俺の部屋の近くに空室？の部屋があった。
見ていないから分からないけど、
ここの人数と合わない。１つ多いよ。
もしかして7人組なの？もう1人は？」

わ、まずい。

「違うよ。あそこは誰の部屋でもないよ。
そして俺らは6人組。
同じ事務所じゃないけど、仲良いからシェアハウスしてるの。
佐久間が心配するようなことはないよ。
不安だったよね、ごめんね。」

宮田くんが優しく話しかけた。
嘘ついて申し訳ないけど、佐久間自身を守るため。
宮田くん、北山くんと仲良いからこうやって言うの
心苦しかっただろうな。

これで納得してくれ。お願い。
俺らだって本当は佐久間に嘘つきたくないよ。

「そうなんですね。俺こそすみません。」

わかってくれた、、のか？
とりあえず、よかった。