狙われたふたり。2 (ページ29)

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宮

ああ、あの後リビングで寝ちゃったのか。
周りを見るとみんなここで寝てる。
岩本とふっかも俺が帰る少し前に帰ってきたみたいで
はしもっちゃんが2人のこと聞いてきたぐらい。
それぐらいしか話していないらしい。

なんか匂いすんなあ、と
キッチンに向かうと宮館が料理してた。

「おはよう。寝られた？？」

「はい。朝ご飯、お粥作ったんですが
食べますか？？」

「温まりそう。貰うわ、有難う。」

「昨日割と遅かったし、
そういう朝はお腹に良いものがいいかなって
思ったんですよ。」

「朝から有難うね～。」

暫くすると、続々と起きてきた。
みんなでご飯食べたりまったりしてると
鳴る携帯。俺の携帯か。つか病院じゃん。

「もしもし」

『おはようございます。朝からすみません。
佐久間さん目覚められましたよ。』

「え！ほんとですか。ありがとうございます。
これからみんなで向かいます。」

『あ、佐久間さんですが、記憶を失われています。
誰のことも憶えていないようです。家族のことも友人のことも。
自分自身のことも分かっていないようでした。』

「え！？」

「ストレスが要因となって記憶を失ったのかもしれません。
何が起こったのかご本人にしか分からないですし、
一概にストレスが要因とは言えませんが。
大勢で来るとびっくりされるかもしれませんので、
今日は2、3人でいらしてください。
こちらでも何か方法は無いか、勉強します。」

「、、、はい。失礼します。」

俺の声が大きかったのか、部屋に戻って来るなり
みんなが俺のことを一斉に見る。

「何かありました、、？」

俺は佐久間が目覚めたことと、記憶がないことを
みんなに話した。
何もかも憶えてない、自分自身のことも。

「俺がさっくんの立場やったら、
誰でもいいから来て欲しい思いますわ。
記憶なくても、友達言うて会いに来てくれるのは嬉しいでしょう。
1人だと心細い思います。」

この空気を破ったのは康二だった。
そのおかげで、空気が明るくなったし、
「あいつ意外と寂しがりやだもんな」とか
「会いに行ってやろう。」とか話し始めた。

みんな行きたがってたが、
俺と阿部、渡辺の3人で向かうことになった。

「佐久間、、入るよ？？」

「ごめんなさい。誰ですか？」

分かっていたことなのに、
忘れられてるって結構ショックだな。