狙われたふたり。2 (ページ23)

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橋

あれから何分経ったの、
何時間も経った感じがするんだけど。

「そういえば、お前あいつとじさつしようとしてたんだろ？
じゃあ、傷ぐらい大丈夫だよな？
じしょうだと思われるようにするからよ。」

え、なんて。
北山くんと佐久間くんが、、、？
何かの間違いだろ？？
だって俺の知ってる北山くんはそんなこと考えたりしないし
いつだってポジティブな人だもん。
佐久間くんだって、そう。
明るいところしか知らない。

俺が知らないだけなのか。
そうだよな、普通に考えて後輩にネガティブなところ
見せたくないもんな。
人は誰だって病むし、この世界にいる以上
みんなが肯定的じゃないしな。
俺だってチャラチャラしてるように見えるかもだけど、
それなりに悩んだり病んだりするし。

ってなに俺へこんでんの。
そんなことで北山くんや佐久間くんのこと
嫌いにならないし。
まあ、びっくりはしたけど。

え、ガチでやるの？
さっきのやつの手元に包丁。細めの包丁。

「さあ、まずは太腿からかな？」

とか言って細い線を入れていく。
見てるのも痛々しくて目を逸らしたくなるけど
先輩が真っ向から受け止めてるのに、
後輩が背けたらだめでしょう。

体を何度も捩らせるから、
相当痛いんだなと感じる。

「ああああああああああ、北山くん！！！
わあああああああああああああああああ。」

ん？佐久間くん？？
突然の叫び声にびっくりした。
目が覚めてよかった、、のか？
一体どうしちゃったんだろう。

「おう、佐久間起きたか。
また、パニック起こしてんのか？状況が似てるもんな。」

また？？
ということは初めてじゃない。
活動休止してることに関係あるのか。
佐久間くんは依然としてパニック状態。
しかし、「うるせえ」とか言いそうな状況なのに、
まるで佐久間くんの声が聞こえていないかのように
また北山くんに向かい、先程の続きを行っている。
は？カオス過ぎるんだが。いや、そもそもカオスだけど。

北山くんの両足が傷だらけ。
お腹や手まで。

「あ～ついに気失っちゃった～～。」

「奴らが来ます。
あと10分ぐらいです。」

奴ら？？
また誰かが来るのか？？
次は俺らか、、？？

「はあ、だるっ！！
お前らのせいだからな！！」

俺らのせい？どういうこと？
俺は誰のことか分かっていなかった。
足早に出て行ってしまった。

「みんな。大丈夫か？」

あ、先輩たち。ホッとした。