狙われたふたり。3 (ページ3)

今日:3 hit、昨日:5 hit、合計:1,144 hit

102 ページ3

sk

北山くんにいくら声を掛けても返事は帰ってこない。
久々に会えたと思ったら、こんな姿なんて誰が想像出来た？
てか、いきなりそんなこと言われたって理解出来ない。
面会時間ギリギリまで病室に居て、家へ帰った。

さっきの話は、本当は俺だけに話す予定だったらしいんだけど
俺の見舞いに来てた、ふっかと阿部ちゃんも聞いてしまってというか
先生の意思で話して聞いちゃって、ご家族に確認したら
この11人のメンバーには共有してもいいって言われたらしく
今ふっかが説明してる。
10年以上一緒に頑張ってきた、
メンバーが急にそういう状態なんて悲しすぎるよね。
俺だってかなりショックだったのに、
メンバーだったらもっとショックだと思う。。。

「頭の中ぐちゃぐちゃだわ」「1回整理したい」と。
次々に自室へと戻っていく先輩。
俺らもジュニア時代から、お世話になっていた先輩なので
みんなショックを受けているというか、
やはり頭の中がいっぱいいっぱいのようだ。

「俺も部屋行くわ。おやすみ。」と次々と自室へ。
俺も自室へ戻るが、妙に目が覚めて眠れない。
いや寝られるはずがないだろう。

あれからずっと起きていて、3時過ぎた。
みんなも最初の方は起きていたのか、
気配がしたり物音が聞こえていたが、全く聞こえなくなった。

俺は忍び足で下に降り、玄関のドアを慎重に開ける。
とにかく外へ出たかったのだ。
人が少ない時間に涼しい風を浴び、何にも考えずぼーっと歩く。
どうしても部屋とか家にこもってると、
同じことをぐるぐると考えてしまうからさ。。

急に車が来て連れ去られた。一瞬の出来事だった。
逃げる隙も考える時間もないぐらい。一瞬だった。
ま、でもいいか。とさえ思っていた。

いつの間にか気を失っていたようで、
目が覚めると、見知らぬ部屋に居た。
考えている隙もなく、誰かが部屋に入ってきた。

え、なんでここにいるの？そう思わざるを得ない人がいた。

「佐久間さん、こんにちは。」

「佐久間さん、お久しぶりです。」

そこにいたのは、最近事務所に入ってきたスタッフさんと
最初の方に入院していた病院の先生だった。
先生は、なんとなく怪しいと思っていたけど、
まさか、この新人スタッフもグルだったのか？？
驚きすぎて声すら出ない。聞きたいことたくさんあるのに。

-------------------------------------------------
医療知識ありませんので、不快に思われたらすみません。