狙われたふたり。3 (ページ1)

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目覚めてから数日後、佐久間は退院出来た。
来週から徐々にではあるが仕事を再開する予定だ。
あ、そう心配されてた声も元通りになった。
でも一応まだカウンセリングとか通院も続くみたいだけど。
北山くんは、まだ目覚めていないんだ。
それもあってか、ずっと元気がなくて。

佐久間には言えないんだけど、北山くんこのままかもしれないって。
片目の眼球に傷が付いてて、見えないだろうって、
片足の太腿付近に包丁が刺さってたんだけど、
それいろんな雑菌とか付いてたぽくて、俺らもよく分かってないんだけど
壊死していて、切断したって。
１度佐久間以外で北山くんに会いに行ったんだけど、
信じられなくて声も出なかった。
どうか目覚めてほしいと願うばかり。

数週間後のこと。
今日は雑誌撮影のあと、インタビューがある。
佐久間は万全ではないけど割と元気になった方。
阿部ちゃんと佐久間と俺で撮影する。
撮影は上手くいって、それぞれインタビューを受けている時だった。
隣が佐久間だったので、よく聞こえるなあとか
やっぱこいついたら元気出るわとか思ってたら、
何か声が途切れ途切れになって、呼吸怪しいと思って横を向いたら
阿部ちゃんと目が合い、その瞬間過呼吸を引き起こした。
阿部ちゃんが佐久間に付き添い、声掛けている間に俺は救急車を呼んだ。

佐久間、いっぱい喋ってくれたから雑誌の記事には問題なく
もう１度インタビューをする必要はないと言われた。
で、俺は気になっていたことを聞いた。

「佐久間、何の話している時に過呼吸起こしたんでしょうか？
俺らも今後気を付けたいので、教えてください。」

決してこの方が悪いわけではない。
ただ事実が知りたい。

「仲良い宮田さんと最近何されたか聞いたんです。
で、思い出しながら話されていて、途中で過呼吸を。
すみません、もう少し早く気付くべきでした。」

「いえ、あなたのせいではありませんから大丈夫です。
どうか気に病まないでください。
またよろしくお願いいたします。」

そう話している間に救急車が到着し
雑誌撮影もインタビューも終わっている
俺と阿部ちゃんで向かうことになった。

「ねえ、宮田くんとの最近の話聞かれて話しているうちに
過呼吸を起こしたんだって、なんだろうね。。」

「・・・宮田会。」

「ん？」

「佐久間、最近宮田くんとか薮くんとかと
会ったみたいだよ。
北山くんも仲良いから思い出したんじゃ、、？」