【賭ケグルイ】会長の幼馴染みは、 (ページ27)

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25.的中ページ27

You side

出来れば行かないで欲しかった。
なぜならステージ上に蛇喰夢子がいるから。

百合子や妄、伊月、ユメミが立て続けに負けて行くこの状況は、楓が言う通り生徒会に不利益。
……綺羅莉はどう思ってるのかは知らないけどね。

さっきまで隣にいた楓は遠いステージの台に上がっていて、なんだか少し寂しくなった。
それを察してくれたのか副会長が隣に座ってくれた。
私の好きなお菓子を差し出してくれる辺り、ほんとに優しい人なんだと思う。

『楓…』

そう呟いたのと同時に、楓は司会者からマイクを貰い観客の方へ体を向けた。
会場の視線が一気に集まるのがよく分かった。

深く息を吸い、楓が発した言葉は………。

豆「自らの立場を賭けて誓おう。
俺はこの学園の生徒会長になる」

会場がどよめいた。

先程までは疑いの目で見ていたはずなのに一気に空気が変わる。

「豆生田がそういうなら…」
「ユメミちゃんにはそんなことしないか」
「なんだよ…びっくりした」

今後生徒会長になる人が、同じ仲間であるユメミを陥れるわけがない_____

きっとこの会場の殆どの人がそう思ってるだろうな。
……私はそう思ってないけどね。

ふと蛇喰夢子の方を見てみると
面白そうな顔で楓のことを見ていた。
〔ミケ〕と書かれた家畜表を触りながら。

『えっもしかして……』

る「あれ、雪チャンどうしたの？？」

『蛇喰夢子ってさ、生徒会長の席を狙ってるとかいう噂あったよね…？』

る「そうそう！だから公式戦は会長とやるために残してるらしいよー」

なんだか嫌な予感がする。
まさか蛇喰夢子は楓に公式戦を挑むつもりだったりする…？

そう考えているうちに、考えていること通り蛇喰夢子は楓の元に向かって歩いていく。

『じ、蛇喰夢子……もしかしたら…公式戦…楓が相手かもしれない…』

る「え？」

楓の前にすっと立った彼女は
ニコッと微笑み、家畜表を持ちながら
この会場全員に聞こえるくらいの大きさで
こう言い放った。

夢「豆生田さん……私と公式戦してくれませんか？」