高学歴ファミリー

休校中の五男 ページ9

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世間が殺伐とした雰囲気に包まれている中、この一家も例外ではなく 、例年であればこの時期は新学期やらなんやらでドタバタとしている筈なのだが、今年は兄弟全員が集まって一緒に食事をしている。


しかし、雰囲気は険悪ムード。


普段であれば、祥彰や航平が色々と喋って場を和やかな雰囲気にしているのだが、何せ皆休校中の為、友達と話も出来ず、外に出ることも出来ず、知らぬ間にストレスが少しづつ溜まってきている。
それは幼い祥彰や航平も同じで、静かにご飯を口に運んでいる。

そんな中、拓司と拓朗が通っている小学校から一通のお知らせが届いた。

『…え？』
駿貴「何？どしたの？」
『拓司と拓朗、明日登校だって』
拓司「…え!?」
拓朗「何で？」
『何か新学期で要る物とか配るらしいよ』
駿貴「じゃあ午前登校か」
『そうなるね』
祥彰「ぼくはー？」
「祥彰は入学式のときかな…？」

まだ学校いけないのー、と不満そうな祥彰を横目に、明日の予定を確認する。
…明日の予定は二人の登校だけかな。

学校に行くとわかった瞬間、拓司が大喜びしだした。
まぁ拓司らしいっちゃ拓司らしい。

一方の方で拓朗は、あまり表情には出ていなかったものの、少し口元が緩んでいるように見えた。



…拓朗、本当は嬉しいんだろうな。


明日帰ってきたらどんな様子だったのか聞いてやろうと思いながら、俺は箸を進めた。

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