第48話 ページ48
「ちゃんと、やりたいこととかはあるけど、それが大変すぎて、たまに、死にたくなる。
死って、私からしたら逃げ道の１つなのかもしれないです」
Aはぼんやりと地面を見つめてそういった。
こういう風に自分の価値観を誰かに話すことが初めてだったけど、日向は黙ってAの話を聞いてくれていた。
「…お前が死にたいとか生きたいとか俺には関係ねぇ」
「…？」
「でも、俺以外のやつに殺されたら俺が許さねぇ」
「…日向さんらしいや」
Aは思わず笑う。なんだか、プロポーズみたいですね、と。
そう言うと案の定叩かれたが。
「これ、やる」
Aはぶっきらぼうに突き出された小さな袋を受け取る。
「ピアス…？」
中身は銀色に光るピアスだった。
穴を開けていたことに気がついてくれてたのか。
それが案外嬉しかった。
「首輪代わりだ。あんま他んとこうろちょろすんなよ」
Aはその言葉に手を止めた。
日向がどう言う意味でピアスを自分にくれたのか。
そう。わかっている。
日向からの好意を今更知らないふりはできない。
Aは日向を見つめる。
少し不安そうな表情の日向。
Aは思わず微笑んだ。
そうか、日向でも不安になることもあるのだ。
迷う必要はない。
右耳にもらったピアスを付けた。
「…ちゃんと責任持って可愛がってくださいね」
「躾なら得意だ」
Aは日向に向き合う。
日向も同じようにAに向き直る。
「途中で捨てたりなんて、しないでくださいよ？」
「そりゃどうかな」
2人は笑いあった。
日向はAの頬に手を添える。
その表情は今まで見たことないくらい穏やかだった。
Aも日向を見つめ返す。
そして、2人はどちらからともなく唇を重ねた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 108人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
魄 - 秋(シュウ)さん» ヽ(*´∀｀)bﾊｰｲ (2017年12月3日 15時) (
レス) id: 95ee45f67a (このIDを非表示/違反報告)
秋(シュウ)(プロフ) - 魄さん» コメントありがとうございます！テストお互い頑張りましょうね！ (2017年12月2日 22時) (レス) id: 19f78b416f (このIDを非表示/違反報告)
魄 - あ、あとテスト頑張れ〜！私もテスト期間だわw (2017年12月2日 17時) (レス) id: 95ee45f67a (このIDを非表示/違反報告)
魄 - 続編楽しみにしてます！頑張って！ (2017年12月2日 17時) (レス) id: 95ee45f67a (このIDを非表示/違反報告)
秋(シュウ)(プロフ) - みきやんさん» コメントありがとうございます！本当ですか！めっちゃ嬉しいです…！ (2017年12月1日 17時) (レス) id: 19f78b416f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：秋(シュウ) | 作成日時：2017年11月8日 19時
