【HiGH&LOW】SWORD地区の透明少女

第39話 ページ39

今日は雨だった。

いつもの道をテクテク歩き、寺へと到着したA。




「今日は日向さんしかいないんですか？」







辺りを見回してみても、人影はなかった。

どおりで寺が物静かなわけだ。




「わりーな」

「いや、そういうわけで言ったんじゃ…」




Aは苦笑いで日向横に腰を下ろした。

日向は体をゆっくり起こす。





「お前、寺に居座ってばっかだけど家に帰んなくていいのか？」

「あ、一人暮らしだし、そこらへんは大丈夫です」

「一人暮らしなのかよ」



日向は意外そうな顔をする。

案外Aのことを知らないままなので、一人暮らしなのも今更だが知った。









「にしても、雨やみませんね」









日向はなにも話さなかった。

Aも、口を閉ざして外を眺めたままだった。

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