【HiGH&LOW】SWORD地区の透明少女

第4話 ページ4

大きな音を立てて扉が開ける。

中へ入ればすでに赤い法被を着た男たちが集っていた。



一番真ん中でこちらを睨む黒髪のおとこが日向紀久。

他と違うオーラを纏い、挑発するように口元は笑った。

日向は2人の姿を確認すると口を開いた。



「なんだそのふざけた格好は。しかも2人か？」

2人は黒いお面を顔につけていた。

そして日向の言葉に対して一切の沈黙を貫く。

工場内は静まり返り、緊迫した空気が漂う。



「まぁ、いい」

日向は呆れたように笑い、Aたちを睨む。

「達磨に手を出したのを後悔しろ」






Aはその言葉を合図に右手を挙げた。

すると工場内に大量の足音が響く。

日向は思わず辺りを見回す。

工場内は二階建てになっているが、真ん中が吹き抜けており、その二階からその大量の人影は見下ろす形で達磨を取り囲む。

達磨を遥かに上回る人数、そして全員がお面をつけているという異様さに達磨は驚愕した。


「潜んでやがったのか」



Aは胸に手を当て、片足を引いてお辞儀をした。


「お前らいくぞ」


日向は仲間にそう言った。

Aは前を向き右手を軽く振り下ろす。




喧嘩の始まりだ。

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