第14話 ページ14
「日向さん」
Aは日向を見上げる。
「ありがとうございます」
死にかけたのは日向のせいだが助かったのもまた日向のおかげだ。Aは素直にお礼を言うことにした。
日向は何も反応を示さずに立ち上がる。
「…お前」
「なんですか?」
「なんでそんな喧嘩が好きなんだよ」
日向は珍しく他人に興味を示した。Aも少し意外そうな顔をする。
「なんでだろ…。ま、普通に楽しいから。楽しさしか原動力じゃないです」
日向は自分から聞いといて興味なさそうに目を細めた。
するともう一度Aの横にしゃがんだ。そして服の上からAの傷口があるお腹に手を当てる。
「…!」
Aは嫌な予感が身体中を駆け巡り、緊張で体が固まる。まだ癒えてない傷が脈打つ。
「まだ痛むのか?」
「…そりゃあ」
日向の長い前髪から覗く瞳と目が合う。
傷はちょっと触っただけでも痛む。
今は手の暖かさが怖かった。
日向はそっと手を少しずらした。まるで傷を撫でるかのように。
「悪かったな」
日向はそれだけ言うと部屋を出て行ってしまった。Aは大きく息を吐き出した。
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魄 - 秋(シュウ)さん» ヽ(*´∀`)bハーイ (2017年12月3日 15時) (レス) id: 95ee45f67a (このIDを非表示/違反報告)
秋(シュウ)(プロフ) - 魄さん» コメントありがとうございます!テストお互い頑張りましょうね! (2017年12月2日 22時) (レス) id: 19f78b416f (このIDを非表示/違反報告)
魄 - あ、あとテスト頑張れ〜!私もテスト期間だわw (2017年12月2日 17時) (レス) id: 95ee45f67a (このIDを非表示/違反報告)
魄 - 続編楽しみにしてます!頑張って! (2017年12月2日 17時) (レス) id: 95ee45f67a (このIDを非表示/違反報告)
秋(シュウ)(プロフ) - みきやんさん» コメントありがとうございます!本当ですか!めっちゃ嬉しいです…! (2017年12月1日 17時) (レス) id: 19f78b416f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:秋(シュウ) | 作成日時:2017年11月8日 19時