第11話 ページ11
日向はAに殴りかかる。
しかしAは意外にも抵抗しなかった。
笑いながら日向に殴られ続ける。切れた口元から血が流れる。
「…この間みたいな喧嘩は私たちにとったらただのイベントでしかない。負けたって勝ったって何も変わらない」
「決着なんてどうでもいいとでも言いたいのかよ?」
Aは腕を振り下ろして日向の腕にナイフを突き立てた。
あらかじめ手に持っていたらしい。
「でも、殺されたら楽しみにしている喧嘩ができなくなる。それはごめんです」
「…今日は殺すぞ」
痛さも忘れるほど怒りが湧き上がる。
日向はAの腕を掴み、思い切り投げ飛ばした。
なんと日向はAを手すりの外に投げた。
低い手すりを乗り越えてAは大きな水音を立てて下の川に落ちる。
めちゃくちゃなやつだ…。Aは日向のあまりの破天荒さに驚いた。
「…」
しかし川は案外浅い川だった。
立てば水の深さは膝にも達しない。
「何してくれてるんですか…。てか、そっちも早く降りてくれば?」
Aは日向に挑発するように手招きをする。
日向は手すりを乗り越えて、Aめがけて飛び降りた。
「いっ…」
そのままAの頭を掴み水の中に沈める。
いくら抵抗しようとしても、力の差には敵わない。
「ガハッ…!」
息もそろそろ限界になる。
頭がチカチカする中、Aは日向の足をなんとか払うことに成功。
そして素早く体制を立て直す。
Aは日向の頭を両手で掴む。
今度は日向が沈められる番になった。
日向を締め上げて水の中に沈める。
「離せや…!」
日向はどうにかAに突進し手に持っていたナイフを奪った。
やられた。Aは日向から距離を取る。
「お前、今から死ぬぞ」
「っ…!」
日向は乱暴にナイフを突き出してくる。
刺されてたまるか。こんなところで死ぬもんか。
「…!」
水に足を取られてバランスを崩したAは、その瞬間に敗北が決まった。
お腹に刺さったナイフから血が流れる。
川が赤に染まる。
こんな時でさえAは声もあげずにいた。
「死ね」
あたりに物音は一切しなくなった。ただ、お互いの荒い息だけが響く。
「…あああああ。これ死ぬ奴だわ」
みるみるうちにAの顔色は真っ青になる。口からも血が溢れていた。Aは水の中に仰向けに倒れた。
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魄 - 秋(シュウ)さん» ヽ(*´∀`)bハーイ (2017年12月3日 15時) (レス) id: 95ee45f67a (このIDを非表示/違反報告)
秋(シュウ)(プロフ) - 魄さん» コメントありがとうございます!テストお互い頑張りましょうね! (2017年12月2日 22時) (レス) id: 19f78b416f (このIDを非表示/違反報告)
魄 - あ、あとテスト頑張れ〜!私もテスト期間だわw (2017年12月2日 17時) (レス) id: 95ee45f67a (このIDを非表示/違反報告)
魄 - 続編楽しみにしてます!頑張って! (2017年12月2日 17時) (レス) id: 95ee45f67a (このIDを非表示/違反報告)
秋(シュウ)(プロフ) - みきやんさん» コメントありがとうございます!本当ですか!めっちゃ嬉しいです…! (2017年12月1日 17時) (レス) id: 19f78b416f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:秋(シュウ) | 作成日時:2017年11月8日 19時