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第10話 ページ12

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なんだかんだ日向は優しい。

そして、達磨一家の皆もまた同じように優しかった。


所詮、Aは他グループの者。

寂しかったなんて個人的な感情を受け止めてもらえるとは思ってなかった。




Aはゆっくり日向の横に腰を下ろす。

いつもどおりの距離感。

肩が触れるか触れないかくらいのその距離は、いつしかお互い定着していた。




「日向さん」



Aの呼びかけに日向は黙って先の言葉を待つ。



「…もう、こんなことしませんよね?」



その声色が、どことなく泣きそうな感じがして、日向は自分の胸が締め付けられるような気がした。

Aは今まで個人的に踏み入った話をしようとしなかった。

達磨一家に対してもそうだったし、自分のことに関してもそうだった。

ただ、寺に来てはのんびり過ごし、たまに喧嘩でじゃれ合ったり。

会話はもちろん交わす。

でも、それも他愛のないものばかりだった。


Aがこうして日向のしたことに対して意見をすることは初めてだった。





「こんなこと、もうしねえよ」




改めて、嫌な思いをさせたんだと自覚する。

Aじゃないと、こんな風に思えない。

相手がAだから、悲しませたくないのだ。







この街の均衡が保たれることで、Aがこれからも変わらず過ごせていけるなら、自分はそれを守るしかない。






「心配するな」

「うん」





横を見ると、やっといつもの笑顔に戻ったAと目が合う。




今まで溜め込んで来た復讐心なんて、今はもはやどうでもよかった。

過去にとらわれるよりか、守りたいもの守るほうが何倍もマシだろう。






Aの冷たい手が、日向の手に重ねられる。


もちろん、日向はそれを受け入れ、握り返した。









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ゆかり(プロフ) - めっちゃおもしろいです!早く続きが見たいです! (2018年5月25日 20時) (レス) id: 6d67b75ad8 (このIDを非表示/違反報告)
- 更新頑張って〜(*´ー`*) (2017年12月19日 22時) (レス) id: 95ee45f67a (このIDを非表示/違反報告)
クロ - 楽しみにしてます(^^# (2017年12月5日 18時) (レス) id: a2a57b7e0c (このIDを非表示/違反報告)
秋(シュウ)(プロフ) - クロさん» ありがとうございます!達磨一家いいですよね…!更新頑張るのでこれからもよろしくお願いしますm(_ _)m (2017年12月5日 18時) (レス) id: 19f78b416f (このIDを非表示/違反報告)
クロ - 続編おめでとうございます!達磨一家めっちゃ好きです(^^* これからも応援してます!! (2017年12月3日 17時) (レス) id: a2a57b7e0c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:秋(シュウ) x他1人 | 作成日時:2017年12月2日 15時

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