◆*9*◆ ページ9
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涙の膜で
淡いブルーが滲んで
そのひと粒が零れ落ちたらそこにはもう
Aの姿はなかった
.
和「……」
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和「…またな、A」
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サヨナラじゃない
また絶対会えるって
なぜかそんな気がしてる
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そしたら今度もきっと
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君と恋に落ちるんだろう…
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.
.
ナゴミ「…あ、和也…おかえりｯｷｬ…
和「…」
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ナゴミ「……かず、なり？//」
戻るなりいきなり抱き締めた俺に
驚いて慌ててる声が聞こえる
だけど賢い君はすぐに
じっとして
俺が何か口に出すのを待ってるんだ
きっと今までもこうやって
ナゴミは立ち止まったままの俺を見てきたのかな
俺の心の中のアイツの存在に気付きながらも
何も言わず
俺の側にいてくれてたのかな
.
和「……ナゴミ」
ナゴミ「…」
和「…ナゴミ……」
ナゴミ「……」
ナゴミの腕がそっと
俺の背中に回る
.
.
あぁ俺は…
いつから君を
こんな風に抱き締めたいと思っていたんだろう
.
淀んだ想いにもがきながら
ずっとずっと
こうやって抱き締め返してくれる温もりを
探してた
.
.
なぁ、A…
俺、ちゃんと前に進むから
お前が安心して俺を待っていられるように
ちゃんと、
未来へ進むから…
しっかり
見といてな？
.
.
.
.
和「…ナゴミ」
ナゴミ「…んー？」
.
.
和「…俺と結婚して下さい」
ナゴミ「……」
.
ナゴミ「……っ、…はい！」
和「…って早！(笑)」
ナゴミ「…もうっ、遅すぎ！」
珍しく泣きじゃくるナゴミに
"お待たせ"って頭を撫でたらその向こうで
ブルーのスカートが嬉しそうに
くるくると回っていたような気がした
.
◆*Blue*◆fin.
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