許婚でも恋がしたい。【赤葦京治】

恋に憧れて六日目 ページ7

Aside
　



　

朝起きると、隣に赤葦さんが──


　







「───居ない!?」


　



　


あのまま、本当に何もなく寝てしまった。眠いとか言っていたのに、部屋を出てすぐ近くにいた侍女に聞いたら、もう一時間前に家を出たという。




　
　



…気に障ることしたっけ…？


　



　

現在７時。

　





きっと赤葦さんが起きたのは五時半頃だろう。




　


支度して、朝ご飯も食べずに行ってしまったそうだし。




　




なんだかちょっと空っぽな気分におそわれた。
　






　

　


　
赤葦side

　



　
「すいませんでした。」




　


実家に帰って今、俺は頭を下げている。






　

その理由というのも








“俺がAさんとしなかった”







と言うことでだ。なんでこんな理由で謝んなきゃならないのか。


　




反抗とまでは行かないけど言わせてもらおうか。







「…そんなに急ぐ必要もないかと思います。」
　



　



次は上手くやれなんて言われたらたまったもんじゃない。









「政略結婚の意味が分かっているか？…そこに私欲も、思惑の自由もない。したがっていればお前は役に立つ。」


　
　



「…ですが、」








そんな事ってあっていいのか。









「…それに、俺は、ずっと前から「京治。」…
…失礼しました。」

　






　


なんでこんな家に生まれたのか。別にAさんが嫌なわけではない。とても素敵な人だと思う。

　






　

でも、と自嘲じみた笑いを浮かべながら、






　
　


　
「…Aさん。貴方が思っているほど、恋はいいものではないですよ。」
　



　



　



父の部屋を出た後、そんな事を呟いた。
　
　



　


　

　



　



　
　
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これからも、Aさんにとって素敵な夢づくりができるように、応援、よろしくお願いします！




2016/1/8/10時現在
　


　

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