21話 壊れる世界。 ページ22
涼介side
雄也は、拳銃を俺の方に向けた。
涼「いいよ。撃って、いいよ。殺して、いいよ。」
雄「…っ。」
雄也の拳銃を持つ手が、小刻みに震える。
俺は、ギュッと目をつぶった。
涼「いいよ、雄也。今までありがとう。」
雄「……山田は、優しいね。」
頭の上から降ってきたのは、優しい声だった。
俺は、優しくなんてないよ。
雄「山田。…ばいばい。」
パァァンッ!
耳障りな音が響いた。
でも、痛みは来ない。
そっと、目を開けた。
そこで目にしたのは、血塗れの雄也だった。
涼「雄也!?!?」
雄也が、ゆっくり口を開いた。
雄「俺が“裏切り者”。
裏切りゲームは終わった。山田涼介…クリア、おめでとう…。」
雄也はそう言うと、ゆっくり目を閉じた。
涼「雄也!ねぇ雄也!!嘘でしょ!?」
どんなに揺すっても、彼は目を開けなかった。
涼「なんで…なんで、置いてったの。なんで、俺なの。」
俺の目から涙が落ちる。
涙は血の海に落ちて、波紋を作った。
涼「ねぇ…雄也ぁ…!」
その時。
カサリ。
雄也のポケットの中に何かを見つけた。
取り出してみると、それは皺のついた手紙だった。
宛名のところには、
『DEAR.山田』
と書いてあった。
俺は、その手紙をゆっくり開いた。
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茜(プロフ) - 瀬名未来さん» ありがとうございます!楽しく読んでいただけたなら幸いです。 (2017年5月15日 22時) (レス) id: bc32098e25 (このIDを非表示/違反報告)
瀬名未来(プロフ) - 最後まで読ませていただきました!雄也か!…確かにと思いました!面白かったです! (2017年5月15日 22時) (レス) id: 8ac6be90bb (このIDを非表示/違反報告)
茜(プロフ) - 春希さん、ありがとうございます!頑張りますね! (2017年5月5日 8時) (レス) id: bc32098e25 (このIDを非表示/違反報告)
瀬名 春希 - こんにちは!JUMPのホラーなんて、興味深いです!楽しく読ませていただきますね! (2017年5月2日 14時) (レス) id: 4c07842597 (このIDを非表示/違反報告)
茜(プロフ) - ありがとうございます!頑張ります! (2017年3月28日 18時) (レス) id: 6a9312f9af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:市ノ瀬茜 | 作成日時:2017年3月27日 23時