【艦これ】島風、ほっぽ、ペット生活、始めます！【かじぺじ】 (ページ12)

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第十一話ページ12

「引っ張りすぎ…？どういう事、連装砲ちゃん」

ー島風、確かにあの子の姉…港湾棲姫は、僕たちを襲った。そんな敵の妹が目の前で笑っている。その気持ちは痛いほど分かるよ。でもね…

「…！連装砲ちゃん…もしかして、深海棲艦の肩を持つの？沈めされられたのに？そんな…どういうことなの！？」

ー違う。ちゃんと話を聞いて。確かにあの子は本来は敵だ。でも、これから僕たちは一緒に暮らすことになる。艤装もほとんどなし、唯一の艤装の艦爆も、弾薬はない。あれは、今は普通の子供だ。…それに、あの子は『艦娘とお友だちになりたい』って言ってた。島風も、ひとりぼっちの気持ち、分かるでしょ？

「…」

ー僕たちは、出来るだけ多くの人たちを守るため生まれた。それに、先生が青崎中将から聞いた言葉、僕たちにも聞かせてくれたでしょ？艦娘が人の形をしているのは…

「…対話による和解を優先するためだ」

そう。ただの兵器なら、私たちには感情なんて要らない。
対話で和解するのを第一にしてるということなら、力なんてそれが叶わなかったときの抑止力に過ぎない…

ーだから、まずはわかりあおう？もしかしたら、この戦いの終焉への第一歩になるかもしれない。レ級に次に会うとき、あの子も一緒に、平和な海で走り回れるかもしれない。

「…レ級」

あの時、最後にみたレ級の笑顔を思い出した。

…そうだった。次に会うときは、平和な海でって誓ったんだ。

「ごめん、連装砲ちゃん。ありがとう」

何かが晴れた気がした。

「部屋、戻ろうか！」

「あ、お帰り。長かったね」

「え？あー…うん、ちょっとね」

私は、二人をしっかりと見つめた。

「…？ドウシタ…ノ…ッ？」

「島風？」

そして、すん、と肺に酸素を取り込んで、こう言った。

「ー駆逐艦、島風です。スピードなら誰にも負けません。速きこと、島風の如し…です！」