49 ページ2
将洋side
祐希「将さんこっち！」
公園を横切って坂を上る祐希に着いていく。
将洋「すげぇ…」
祐希「でしょ〜(笑)ここだけなんだよ。大阪の街見渡せんの」
周りより高い所にあるその場所からは、祐希の言う通り大阪の街が一望できた。賑やかな大阪に相応しい様々なライトで照らされている。
祐希「はい、どうぞ」
将洋「あぁ、サンキュー」
どこで買って来たのか、祐希は俺に缶ビールを渡して近くにあったベンチに座った。俺もその隣に腰を下ろす。
祐希「んっ、にっが！何で将さんこんなのが好きなの！？」
ビールを飲んだ祐希が顔をしかめて尋ねてきた。
将洋「お前も大人になりゃ好きになるよ」
俺も一口飲んでそう答える。
祐希「23は立派な大人です〜」
将洋「ちょっ、お前ゆっくり飲めよ。酒弱いんだから」
子供扱いされたことが気に食わなかったのか、祐希は一気にそれを飲み干した。
祐希「それで？昨日、何があったの？」
将洋「…別に。何もねぇよ…」
祐希「将さん…」
俺を見つめる祐希の目が「誤魔化すな」と言っていた。俺は祐希のこの目に弱い。
将洋「…結婚するんだってよ。医者の先生と」
祐希「そうなんだ…」
将洋「その方がいいんだよ。（人2）にとっても、（人3）にとっても。医者なら稼ぎは良いだろうし、しょっちゅう海外遠征だなんだって俺より2人の側にいてやれる。これでいいんだよ」
祐希「本当にそれでいいの？」
将洋「…あぁ」
俺はそう言って笑った。いいはずない。（人2）を取られて平気でいられるほど強くないんだ。でも、これで（人2）が幸せになれるなら、俺は喜んで身を引くよ。
祐希「そっか。将さんがそれでいいなら、俺は何も言わないよ」
将洋「おう」
その後1時間ぐらい、何を話すわけでもなく、俺たちは大阪の街を眺めていた。
ここだけでも数えきれないほどの人が暮らしている。俺と（人2）はそのうちのたった2人でしかなかったんだ。運命だとか何とか信じていた自分がバカみたいだ。でも、本気だったよ。本気で（人2）が好きだった。俺にはお前しかいないとか、お前じゃなきゃダメなんだとか、（人2）に言った言葉全部、俺の本心だよ。ただそれが彼女に届かなかっただけのこと。だから俺、決して後悔はしてない。
ただ、これだけは言わせてほしい。
この先何年、何十年と経っても、俺は（人2）を忘れることはないだろう。この先死ぬまで、俺はあなたを、あなただけを
愛しています…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 158人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
うのの - すごい…！苗字が柳田になってるって…！え、すごい…！ (2017年6月21日 15時) (
レス) id: a852a982c6 (このIDを非表示/違反報告)
kiki(プロフ) - 番外編嬉しいです(^.^) 楽しみにしています！ (2016年10月15日 19時) (レス) id: aea2ec15c6 (このIDを非表示/違反報告)
ma9 - 完結おめでとうございます。ぜひ、番外編がよみたいです。 (2016年10月13日 21時) (レス) id: 6caee87ad9 (このIDを非表示/違反報告)
Nissylove(プロフ) - 完結おめでとうございす……！！！涙が……止まらない！感動しました！続編見たいです！暇な時で結構です！！よろしくお願いします！！！ほんとうにお疲れ様でした！完結おめでとうございます！！ (2016年10月10日 1時) (レス) id: 591ed1e093 (このIDを非表示/違反報告)
歌穂梨 - 感動しすぎて…！(涙)柳田ジャパンと主人公&柳田のその後を読みたいです！ぜひ続編をお願いします！ (2016年10月8日 21時) (レス) id: c9b6dc51b0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：snow white | 作成日時：2016年8月14日 14時
