【ごちゃ混ぜ】malattia d'amore【短編集】 (ページ18)

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【Fate/sn】それは水面に映る月のように【佐々木小次郎】ページ18

今日も柳洞寺の門に侍っぽい人がいる。聖杯戦争が始まったのはクラスメイトの凛から聞いていたけれど、あれもサーヴァントなのだろうか。
実の所、私も聖杯戦争に参加している。令呪だってある。だがサーヴァントが召喚がどうしてもできない。綺礼を問い詰めたら全てのクラスの召喚がすでに終わっていると。じゃあ私はどうなるんだよ！！って言ったら早く召喚しなかったのが悪いと言われた…ごもっともです……
そんな令呪を持て余しているとこに柳洞寺の侍を見つけた。
「お侍さんここで何してるの？」
話しかけると少し驚いたような顔をした。辺りは暗く、仄かな月明かりだけが私達を照らしているだけなのに照らされているところだけで分かるくらいの美形だ。
「なぁに、ただの月見さ。そなたこそ何用だ」
「私も月見ってとこかな、お侍さんを誘いに来たの。いつも気になってて遂に声をかけたという訳です」
いっつも柳洞寺の門にいるんだもん。気にならないほうがおかしい。
「誘いは嬉しいが、私は此処の門番をしている故…離れる事はできんのだ」
「そっか…でも、此処を離れたいというお侍さんの意思があれば私は貴男をその呪いから解放できる」
そう言ったらお侍さんは刀に手をかけ距離をとった。やっぱりサーヴァントなのかな、一挙手一投足が洗練されている。
「貴様…それはどういう………」
私は令呪を掲げ、本題にはいった。
「貴男のマスターになりたい。聖杯を杯に月見酒をするのはどう？」
鳩が豆鉄砲食らったみたいな顔してる…もう、もう、誰でもいいからサーヴァントが欲しいんだ…！！
「ほう…聖杯で月見酒とはこれまた酔狂な……いやしかし悪くない…いいだろう、あの女狐めの言いなりも些か飽きてきたとこだ。強敵を探しに出向くもまた一興…そしてそなたは中々に愛らしい」
警戒を解いてまた距離を縮めてくれた。微笑んだ姿に見惚れていまいそうになるを堪え、呪文を唱える。
「告げる、汝の身は我の下に我が命運は汝の剣に聖杯のよるべに従い、この意、この理に従うのなら、ーー我に従え。ならばこの命運汝が剣に預けよう」
「アサシンの名に懸け誓いを受ける。貴殿を我が主として認めよう……A」
私の家だって名の知れた家系だ。さらに正統な令呪がある。…誰にも負けない。

「これで晴れて貴男は自由になった訳だけど後悔はない？」
「あぁ、寧ろ清々しい気分だ我がマスター」

それは水面に映る月のように

(じゃあ早く魔力供給するね)
(？一体それはなんﾝｯ…)