ワンピース短編集【合作】 (ページ7)

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言葉に隠して【ミホーク】ページ7

sideA

『じゃ、乾杯。』

「乾杯。」

片思い。片方が相手を愛すこと。きっと今の自分を表すなら、この言葉がよく似合うだろう。
こんな何気ない食事の場でも嬉しくなる。

「お前が作ったのか…美味いな。」

『どうも。』

緊張…だろうか。うまく話せない。相手があまり話さないタイプだからまだ助かる。不器用でも強く優しいところに、きっと惹かれたのだろう。

でも、このままの関係では物足り無い自分が居る。もっと堂々と隣を歩ける関係になりたい。
少し、勇気を出そうか。そう思った時。

「あぁ、今日は…月が綺麗だな。」

彼から発されたのは少し考えてしまうと別の意味にも聞こえるその言葉。そんな気なくその言葉を言っていた時が怖くて。

『そうね。こんなにきれいな月を見れて…死んでもいいわ。』

どちらにも取れる言い方で返した。彼の反応が怖くて見れなかった。でも数分しても物音一つもしなくて。そのあとに彼から出た言葉は

「この言葉の…意味を、知っているのか？」

あぁ、なんだ。怖がる必要はなかった。

『知ってる』

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今回は大人な二人。静かに思いを伝える夜の時間です。ちなみに前半はミホーク視点とも言えます。どんなに強い二人でも好きな人を前にすると弱々しくなってしまう。この後には初々しい生活が始まるでしょう。